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ドゥカティ・スクランブラーの乗りやすさを追求するAELLAオリジナルパーツ
取材協力/AELLA  取材・文・写真/モリヤン  構成/VIRGIN DUCATI.com編集部
掲載日/2016年5月18日

アエラ製のスペシャルパーツは、その美しい仕上げと共に追求されている優れた操作性が高い評価を得ている。ライディングポジションを変更するパーツは、日本人ライダーが使うことを前提として開発。多くのハイパフォーマンスマシンにフィットするパーツを、リリースし続けているのだ。

INTERVIEW

動的なポジションを追求する
スクランブラー用のパーツ

アエラの母体であるカスノモーターサイクルは、2016年で創業42年を迎える。これまで一貫してスポーツバイクの普及に力を入れてきたショップであり、代表の糟野雅治さんは、1960年代の後半からレーシングライダーとして、世界のモータースポーツシーンを知り抜いている人でもある。糟野氏は、自身が現役レーシングライダーだった頃から、ライディングポジションに対する考え方が動的。つまり実際に走行し、加速や減速のしやすさやコーナリング時の体のホールド性等を追求してきた。アエラの製品は、だからこそ高品質でポジションの自由度が大きいパーツとして開発されているのである。転倒時のパーツ破損に対しても、細かく部品単体で市場に投入し、優れた耐久性と共に、リペアが容易であるというメリットも大きな評価としてスポーツライダーに浸透している。そのアエラが、昨年デビューしたドカティの新ブランド。「スクランブラー」に対応するパーツを続々と発売している。今回は、アエラ事業部の糟野仁海さんと中島亮介さんに、現在のアエラについて、話をうかがった。

――今までアエラの主流だったのは、ハイパフォーマンスを追求することだと思いますが、新製品にはどのような特徴がありますか?

糟野 :基本的にはパーツ製作におけるコンセプトは変わることがありません。やはり、外国製バイクのポジションは日本人のライディングに適していない部分が多いので、細かく調整するという意味合いが大きいです。

中島 :スクランブラーは、とても汎用性の大きいバイクとしてドカティの新しい分野を切り開きました。もちろんこれまでもスポーツ性を抑えたロードモデルはありましたが、ぐっと身近な存在として注目されているモデルなので、なおさら日本人ライダーへのフィッティングを考えたということです。

――ステップ以外にも様々なパーツを提供していますね。

糟野 :実は、ステップももちろん開発しましたが、ステップ位置はノーマルと同じなんですよ。変更しなくても良いものは変更しない。しかし、ノーマルの質感やペダルの操作フィーリングは向上させたいので、高級で剛性感の高いパーツとしてラインナップしました。そして、ハンドルバーは2種類用意しています。

――ハンドルの形状でポジションの見直しを図るのでしょうか?

中島 :今回はスクランブラークラシックをモチーフとしていますが、そのままだとアップライトで乗りやすそうなんですよ。でも走行中は、いわゆる殿様乗りポジションでは、加速のGやブレーキングGに対応しにくい。降りた時の取り回しもアップすぎるハンドルバーでは不具合がありますね。それで少し幅を狭く、低いポジションで製作しました。グリップエンドも少し内側に向けて絞られています。

――他にも様々なパーツを提供していますが、その背景は?

糟野 :スクランブラーは、街乗り用のトラディショナルバイクということから、ライディングポジションに関するパーツ以外にも、転倒時に車体ダメージを最小限に食い止めるスライダーや、便利グッズでもあるナビゲーションマウントステーなどもラインナップしました。これはユーザーからのリクエストに答えてリリースしたパーツでもあります。そして最新の400には、サイドスタンドに装着させるアルミ削り出しのサイドスタンドエンドを発売します。あまりに大きく傾いてしまう車体を緩和させる重要なパーツですね。

――主力商品のステップには、どのような工夫がありますか?

糟野 :固定ステップと可倒ステップの両方を製作しました。ライディングを安定させるには固定ステップが良いということは他の商品と共通で、ステップ自体は、少し軟らかいアルミ素材を使用して転倒時に折れにくいような配慮がなされています。可倒ステップは、オフロード走行時などの転倒で有利なように、ノーマルステップの良さも加味した設計になっています。

 

ドカティの中でも一際懐の深いポジションにあるスクランブラー。メーカーは「ポストヘリテイジ」という表現を使い、自由な発想で自己表現できる新しいスタンダードとして今急速にライダーを増やしているが、アエラのパーツを使用することで、さらに楽しいバイクライフを表現できるようになる。それはやはり、どの製品もいっさい妥協しないモノ作りを徹底しているからだ。日本人ライダーの為のスペシャルパーツ。そのクオリティと優れた操作性は、スクランブラーのライディングでも魅力的なアドバンテージを築いていた。

PICKUP PRODUCTS

スクランブラー用パーツと
スーパーバイク用パーツの違い

街乗りでの操作性を重視したスクランブラー用パーツは、ステップは高剛性なことが前提であるものの、細かいポジション変更はできない構造。その理由は、「設定の必要がない」ということ。ハンドルバーでの調整で、街乗りでも操作性の良いポジションを実現できるというのがアエラの答えである。対してスーパーバイク用は、徹底的にライディングポジションを微調整できる構造であり、スポーツライディングからサーキット走行までの操作フィーリングも、ライダーが徹底的に追求できるものとなっている。

01ドカティ・スクランブラークラシック。トラディショナルなスポークホイールを装備するこのモデルは、どんな使い方にも適応する汎用性の高さがウリだ。

02ノーマルステップは、ペダルがスチール製。ステップバーはアルミ製だが、剛性はいまいちでプアーなイメージが少々残念なところ。

03固定ステップバーを装着するキットは、可動部分にダブルベアリング構造として、操作フィーリングを向上している。6万5000円(税抜き)

04ステップはペダルに比べて軟らかいアリミ素材を選択。転倒時にも折れにくい配慮がなされている。

05チェンジペダル先端部分は、前後に移動することができる構造で、微調整できる。

06リヤサスはオーリンズ。空車時の車高は変わらず、乗車時の1Gでの動きをしなやかにして、足付きの性能も向上。減衰力もフルアジャスタブルだ。

07ハンドルバーは2本の設定。幅が45mmショートで、高さが30mmと15mm低くなるポジションとなる。仕上げはブラッククロムメッキ仕様。9800円(税抜き)

08ノーマルハンドル装着のポジション。上体がやや後方に寝ているような姿勢となる。

09ハンドルバーを変更後は、ほんの少し前傾となるが、加速や減速時に有利。そしてオンロードでの使用が多いことも前提で設計されている。

10クラシックのノーマルハンドルバーは、高さもあるが、幅が広いことも特徴だ。

11アエラのハンドルバーは、高さの違う2本共に左右で45mmもショート。それでも充分なゆとりがある。

12転倒時にバイクを守るスライダー。適度なボリュームでも野暮ったくならないように凹凸のある形状にして、スタイリッシュな外観を実現。10万円(税抜き)

13リヤアクスルも同様のスライダーを装着。スタンドフック機能も持っている。1万4000円(税抜き)

14フレームスライダーも重要なパーツ。2万6000円(税抜き)エンジンスライダーは、クランクケースがフレームより張り出しているので、最重要パーツとなる。1万4000円(税抜き)

15ハンドルバーエンドスライダーも同様のルックスでトータルデザインされている。9800円(税抜き)

16ハンドルポストに装着される、ナビゲーションマウントステーは、ガーミン及びユピテルに対応。1万5000円(税抜き)

17オイルクーラーを飛び石の攻撃から守る、オイルクーラープロテクターはステンレス素材。1万1000円。ブラックは1万6000円(税抜き)

18この春にデリバリーが開始されたスクランブラー400は、普通二輪免許で乗ることができる大きなメリットがある。

19取り付けられたのは、可倒式ステップバーのセット。オフロード走行ではこちらが有利。ノーマルと基本構造は同じで、高剛性であることがアドバンテージになる。6万9000円(税抜き)

20ノーマルでは傾きすぎる車体を22mmかさ上げできるサイドスタンドエンド。地面との設置部分が完全にフラットになるような工夫がされている。(価格未定)

21写真は、スーパーバイク899にアエラのステップを装備したサーキット仕様の車両である。

22ノーマルステップは、やや華奢な印象だが、トータルデザインされているパーツでもある。もちろん、ポジション変更はできない。

23ポジションの適正化と高剛性。そして高級感も抜群なアエラのステップキットは、ステップバーのポジションが6種類選べる。正チェンジも逆チェンジも可能だ。

24ブレーキ側も同様。可動部分はダブルベアリングで操作フィーリングは抜群である。9万5000円(税抜き)

25ステップバーだけのポジションも選べる。写真は最も前方位置。

26後方にもセットすることができる。もしもの転倒時には、もちろんステップバーだけの単品購入も可能。すべてのパーツは単品購入できる。

BRAND INFORMATION

住所/京都府京都市伏見区下鳥羽広長町217
定休/火曜、第1・3水曜
営業/10:00~19:00
TEL/075-622-0225