VIRGIN DUCATI | ストリートファイター、戦闘開始。試乗インプレッション 特集記事&最新情報

ストリートファイター、戦闘開始。試乗インプレッション

  • 掲載日/2009年07月07日【特集記事&最新情報】
  • 取材協力/Ducati Japan 取材・写真・文/VIRGIN DUCATI.com編集部

ストリートファイターの画像

試乗インプレッション

一見獰猛、されどジェントル
二面性を内に秘めたファイター

何も知らない人が見ても目を引くスタイルに、あの1098のエンジンを搭載したハイパフォーマンスなネイキッドバイク。となれば、試乗を始める前から胸が躍っても仕方がない。そして実際に乗ってみた結果、自分の期待感は良い意味で裏切られた。スーパーバイクのエンジンを積んだ獰猛なネイキッド。これは確かにストリートファイターの一側面を的確に表している。L型2気筒4バルブ水冷デスモドロミックエンジンは、最高出力こそ規制によって押さえ込まれているものの、トルクに関しては本国仕様より低い回転数で発生する加速型。身体の真ん中まで心地良く響くエキゾーストノートに誘われてスロットルを開ければ、あっという間に危険な速度域に到達してしまう。もちろん、危機感を感じて頭と体が右手の力を緩めるのだが、ストリートファイターが恐ろしいのは「また開けたくなってしまう」ところだ。

ストリートファイターの画像

この秘密はDTC(ドゥカティ・トラクション・コントロール)にある。これはライダーのアクセル開度や路面状況などをコンピュータがセンサーで読み取り、駆動系に介入することでリアタイヤの空転を防ぐシステムだ。1098に搭載されていたものはあくまでレース用装備だったが、このモデルのDTCは公道での走行を前提として開発された最新版で、ライダーのレベルや走行場所に応じて調整が可能になっている。これが搭載されていることにより、恐怖感なくアクセルを開けていくことができるのだ。しかも介入のタイミングが絶妙で、自分の走りにあわせたレベルを設定すると、DTCの存在を感じることはほとんど無くなってしまうほど。見た目どおりの過激な走りを持ちながら、同時にライダーをむやみに萎縮させないジェントルな性格も持ち合わせたストリートファイターは、ただのパフォーマンスネイキッドではない。

ストリートファイターの画像

それは足回りのセッティングやブレーキにも表れている。いずれもモンスターシリーズなどにくらべてハードな設定ではあるものの、ストリートモデルとして必要になるコントロール性の良さは忘れていない。今回はサスペンション設定の変更を行わずに試乗したが特に不快感はなく、むしろ少し硬めの足回りが乗りこなしたくなる気持ちに火をつけてくれる。これにスロットルを開けたくなるエンジンが載っているのだから、面白くないわけが無いのだ。サーキットなどのコンマ1秒を削る走りを求めるなら、物足りない部分があるのかもしれない。しかし、自分の技量と相談しながら「目の前の道をどれだけ楽しく走れるか」という遊び方をするなら、ストリートファイターは飛び切り面白い相棒だ。激しいだけでなくクレバーな一面も備えたファイターは、乗るほどにハマってしまう危険な魅力に満ちている。

ストリートファイターの画像

スーパーバイクのディティールを取り込んだ
新しいネイキッドのカタチに注目

スーパーバイクの特徴を上手く活かしたスタイルが、ストリートファイター最大の特徴だ。イメージカットでアピールされているLEDポジションライトは、1098のヘッドライト形状を模したもので、このバイクのルーツを感じ取れるエッセンスとなっている。リアまわりの造形もレーシーな雰囲気を残しているが、微妙なシート形状変更や右2本出しマフラーによって、元となったモデルとは異なるスタイルを演出。また、フルカウル仕様からネイキッドにリメイクされるにあたり、本来は隠れていた部分も違和感なくデザインとして組み込んでおり、車体と一体感を増しているラジエター近辺の処理は、1098とはまた違った美しさを表現している。元来ドゥカティはデザインに定評があるが、ストリートファイターの完成度は高く、初めて発表されたミラノショーでは「世界で最も美しいバイク」を受賞しているほど。今回の試乗では、他のバイクが横に並ぶ度に熱い視線を浴びただけでなく、止まっているストリートファイターを見て足を止める人も多いことが確認できた。この「問答無用のカッコ良さ」は、ドゥカティスティならずとも見とれてしまうものがある。

ストリートファイターの画像

ドゥカティの最新モデルとして、装備面の充実にも注目したい。試乗した“S”は同シリーズの上位モデルにあたり、オーリンズ製前後サスペンションに加え、マルケジーニ製鍛造ホイールを採用。また、走行中のデータを逐次収集できるDDA(ドゥカティ・データ・アナライザー)を装備しているため、自分のライディングを正確な数値で確認できるようになっている。前述したDTCもこのグレードだけの装備となっており、現在のラインナップにおいてスーパーバイク1198Sと双璧をなす「最新技術の結晶」だ。斬新なスタイルに、最新のテクノロジーが加わった最高峰のネイキッド、それがストリートファイター。これまでのドゥカティに負けない強烈な存在感は、多くのライダーの心に火をつけるだけの魅力を持っている。

詳細写真

ストリートファイターの画像
メーターは専用設計の多機能デジタルメーターを採用。各種インジゲーターの間にある空白部分は、DTC作動を知らせるシグナルランプとして点灯する。
ストリートファイターの画像
個性的な表情を作り出している単眼ヘッドライト。下部のLEDポジションランプは、1098のヘッドライトをイメージしたデザインとなっている。
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シート高は840mmと足つき性は一般的なスーパースポーツ並み。タンデムシートは見た目よりも座りやすく、成人男性二人でも問題無い。
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フロントはオーリンズ製フルアジャスタブルフォーク+ブレンボ製ラジアルマウントキャリパー。制動力は強烈だが、フィーリングに恐怖感は無い。
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ベースモデルとは大きくイメージが異なる右2本出しサイレンサー。キャタライザーを内蔵しており、厳しい日本国内の環境基準に適合している。
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エンジンは1098用をストリート向けにリセッティング。日本国内仕様はトルクに振った性格となっており、街中でコントローラブルな特性だ。
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ここ最近のドゥカティでお馴染みとなった、ハンドルマウントのメーターコントローラー。1098より小型になり、操作し易くなっている。
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リアサスペンションもオーリンズ製フルアジャスタブルタイプを採用。初期設定の状態でも街乗りに対応できるしなやかさが特徴だ。
ストリートファイターの画像
シートカウル内にはDDAを標準装備。ヘルメット固定用のワイヤーも付属している。ちなみに、車載工具はヘキサゴンレンチ1本のみ。

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