VIRGIN DUCATI | ムルティストラーダ1100/1100S DUCATI購入ガイド

ムルティストラーダ1100/1100S

  • 掲載日/2009年01月05日【DUCATI購入ガイド】
ムルティストラーダ1100の画像

Multistrada 1100 / 1100 S

ストリート第一主義で開発された
異色のスポーツバイク

近年、スポーツバイクは著しい進化と発展を遂げたが、それは同時に一般的なライダーの需要から乖離してしまうという問題をはらんでいた。これに対応するために、ドゥカティがストリートユースを最優先して開発したのがこのムルティストラーダだ。このモデルの開発がスタートした当初は「ドゥカティがデュアルパーパスモデルを開発している」との噂が流れた。しかし、2001年に姿を現したプロトタイプは、確かにオフロード車を連想させるパッケージとはなっていたが、前後の長い足回りにはワイドなハイグリップタイヤが装着された、ほぼ完全なるオンロードモデルであった。当時、このモデルのデザインを担当したピエール・テルブランチ氏は、「スタイリングじゃなく、機能と性能を優先したバイクで、毎日楽しく使えるスタンダードなバイクを目指している」と語っていたが、2003年に公道デビューを果したしたムルティストラーダは、正しくその言葉を具現化した仕上がりとなっていた。スポーツバイクのパフォーマンスを持ちながら、それまで以上にツーリングやタンデムを意識。近年ではパワーユニットも1000DSから湿式クラッチ搭載の1100DSへと進化し、スポーツツーリングを愛する多くのライダーから支持を得ている。

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ドゥカティの脚長モデルとして異彩を放っているムルティストラーダ1100および1100S。
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乗りやすく、そして速い
ドゥカティの快速スポーツツアラー

豊かなストロークを与えられた前後の足回りと、ロングツーリングでもまったく不都合を感じないアップライトなポジションがムルティストラーダ最大の特長と言えるだろう。また、エンジンは乾式クラッチの1000DSからスタートしたが、2007年モデルからは湿式クラッチ搭載の1100DSにアップデート。これによりトルクは先代よりも10%以上向上しており、通常走行のみならずタンデムや積載時の扱いやすさが大幅にアップしている。このモデルのアイコンでもある、スクリーン部分のみをハンドルマウントとした特長的なカウルは、本格的なロングツアラーとしてはウインドプロテクションがやや物足りないものの、適度な防風性と高速時の空力特性、良好なハンドリングをバランスするように設計。スポーツライディングからツーリングまで無理なくフィットする前後シートを装備するほか、トップケースやパニアケースの豊富なオプション類が用意されるなど、ステージを選ばない多才ぶりはドゥカティ随一だと言えるだろう。なお、上級グレードのSバージョンには、前後オーリンズサスペンション、各部のカーボンパーツが奢られている。

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エンジンは空冷2バルブデスモドロミックの1100DS。使い勝手を考慮し、湿式クラッチを搭載している。
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スクリーン下で分割された特長的なアッパーカウル。空力特性と快適性をバランスする優れたアイデアだ。
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タンデムと荷物の積載を考慮して強固に設計されたシートレール。タンデムシートも快適性重視。
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上級グレードのSは前後サスペンションがオーリンズ製となるとともに、各部にカーボンパーツが奢られる。

スーパースポーツと同等の運動性と
ツアラーとしての快適性を両立

独特のデザインから、「これでもドゥカティなの?」という声も多かったものの、実際に試乗した世界中のジャーナリストから絶賛され、華々しいデビュー飾ったムルティストラーダ。それもそのはずで、このモデルはアルプス北部の山岳地帯でテストを繰り返して開発され、その走行フィーリングはいわゆるアルプスローダーに近い。前後の長い脚とアップライトなポジションの組み合わせは、公道においてスーパースポーツと同等の運動性を発揮するとともに、ツアラーとしての快適なライディングを両立。さらに、ワイドなバーハンドルと、シート下まで延長された燃料タンクなどがもたらす良好な車体バランスは、少々荒れた路面でも走行を可能としており、ムルティストラーダ(=マルチ・ストリート)というモデル名が伊達ではないことを示している。また、ST系がカタログ落ちした現行ラインナップのなかにあって、ロングツーリングやタンデムライドも守備範囲とするこのモデルには、快適性をアップさせる豊富なオプションが用意されるほか、トップケースとパニアケースを同時装着できる唯一のドゥカティとなっている。

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ソロのハイスピードツーリングはもちろん、荷物満載のロングツーリングやタンデムにも対応するムルティストラーダ。
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ツーリングとタンデムをサポートする
豊富なオプションも特長

守備範囲の広いムルティストラーダは、トップ、パニアなどのケース・バッグ類のほか、ツーリングシートやグリップヒーターなど、快適性をアップさせるオプションパーツ・アクセサリー類が豊富に用意されていることも特長のひとつと言えるだろう。これらを駆使すれば、他社製ロングツアラーに匹敵する快適な旅を楽しむことができる。

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ヘルメットも収納可能な大容量のパニアケース。デザインが洒落ているのはイタリアンらしいところ。
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トップケース、ツーリングシート、グリップヒーターといった快適オプションが充実しているのがこのモデルらしい。このほか、使い勝手の良いセンタースタンドなども装着可能だ。

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