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ドゥカティ 750 イモラ 1973 レプリカ

  • 掲載日/2009年10月24日【歴史あるドゥカティを知る】
  • 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
750 イモラ 1973 レプリカの画像

徹底的なこだわりと情熱より完成した
「ファクトリーレプリカ」はショートストローク

もはや世界的に有名ンドゥカティレーシングコレクターで知られるコレッツィオーネ・ジャポーネ。今回紹介するのは同社の手による1973年仕様のイモラ200マイルファクトリーマシンのレプリカだ。イタリア国内をはじめ、ヨーロッパには同年式のレプリカが存在するが、このマシンがそれらと大きく異なるのは、ズバリ、エンジン仕様である。以前リポートしたファクトリーマシンに搭載されている乾式クラッチ仕様のショートストロークエンジンを、なんと忠実に再現しているのである。

750 イモラ 1973 レプリカの画像

発売されたのは250ccと350ccの2タイプ。公表された出力は250が34ps/8500rpmで350が39.5ps/8000rpmとなっている。バッテリー点火でミッションは5速であった。

73年仕様の特徴は、同年既に開発が進められていた860ccエンジンのボアサイズ、φ86mmピストンを採用している点である。このビッグボアピストンにコンロッドが極めて短いショートストローククランクを組み合わせ、イモラ200マイルのレギュレーションである排気量750ccに対応していたのだ。これらのスペシャルパーツでアッセンブリされたエンジンは、至極コンパクト。ベベル系マシンオーナーなら、このマシンに搭載されるエンジンが、異様なまでにコンパクトであることに気が付くはずだ。そのサイズたるや、世界GP向けのファクトリーマシン、500GPのそれに近いと言えるだろう。各バンクがコンパクトである証拠に、一般的にはエンジンを降ろさなくては分解できないリアバンクのシリンダーを、シャシーにエンジンを搭載したままで分解できるほどなのだ。市販ベベルのシリンダーハイトに対して、20mm近くハイトが低くなっているのである。

エンジンばかりでなく、当時のファクトリー系パーツやそのレプリカパーツを数多く採用し、組み立てられたシャシーにも注目だ。このようなフルスペックに近いファクトリーレプリカは、世界的にも稀有なる存在と言えるだろう。

750 イモラ 1973 レプリカの詳細写真

750 イモラ 1973 レプリカの画像
スタンダードや72年ファクトリーのボア×ストローク、φ80×74.4mmに対して860系と同じφ86mmピストンに64.5mmのショートストローククランクを組み合わせた748.9cc仕様のエンジン。当時のデータをもとにスペシャルクランクを製作し、ファクトリースペックに限りなく近づけている。そのスロットルフィーリングはチューンドパンタを越える。
750 イモラ 1973 レプリカの画像
そのこだわりはディティルを見れば深く理解できる。もはやファクトリーマシン以上にハイクオリティかつ軽量化の施されたパーツを随所に装着。トップナットの肉抜きたるや尋常ではない。カウリングステーのデザインも、ファクトリーマシンを忠実に再現している。
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フロントバンクのカムシャフトエンドに取り付けられるタコメーターギアは市販車と同仕様だ。
750 イモラ 1973 レプリカの画像
キャブレターはデロルトPHM40にショートファンネル仕様。73年型レーシングフレームはベルリッキ製ではなくダスパテライオ製だ。薄肉のクロモリパイプ仕様で圧倒的な軽さを誇る。
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カーブドレーシングマフラーが奏でるカン高いレーシングビートは高回転で冴える。
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セントラルアクスルを採用したボトムケースにAPロッキード製レーシングキャリパーを装備する。ディスクロー他はファクトリーマシンに倣い、ベンチレーテッド仕様のモディファイが施される。
750 イモラ 1973 レプリカの画像
860GTシリーズやダーマシリーズと同仕様のスイングアームピボット・エキセントリック・アジャスターを採用。徹底的に肉抜きされたステップも当時のファクトリー仕様だ。
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徹底的に肉抜きの施されたドリブンスプロケット。年代により、この肉抜きデザインも異なっていた。このような処理にすることで、スチール製スプロケットの存在感が高まる。カスタムアイテムにもなるはずだ。スイングアームのリアアクスル部分の造形にも注目。チェーンアジャストはピボット側で行われる。
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72年型ファクトリーに対してシートカウルのハイトが高い73年仕様。

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