VIRGIN DUCATI | ドゥカティ 1984 750 TT1 エンデュランス 歴史あるドゥカティを知る

ドゥカティ 1984 750 TT1 エンデュランス

  • 掲載日/2009年10月28日【歴史あるドゥカティを知る】
  • 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
1984 750 TT1 エンデュランスの画像

“軽量コンパクト=ハイポテンシャル”を
再認識させた究極のパンタ系レーシングツイン

79年に発表された500SLパンタは、軽量コンパクトであることを最大の武器としたドゥカティの意欲作だった。その500SLパンタや、後に排気量アップを果たした600SLパンタをベースにしたレーシングマシン“パンタコルサ”がイタリア国内のジュニアチャンピオンシップで大活躍した。その活躍に気を良くしたドゥカティが、81年シーズン向けに開発したのが、パンタレーシング600TT2である。このパンタレーシングは、世界TTF2選手権で大活躍を見せ、英国人ライダーのトニー・ラッターによって3年連続で世界TTF2選手権のタイトルを獲得した。このパンタレーシングTT2は、現在のドゥカティラインアップを構成する“トラス構造フレーム”の元祖的なモデルである。

そして、84年にTTF1レギュレーションの最大排気量が750ccになるのと同時に、ドゥカティは750cc版のニューモデル、750F1(通称TT1)を発表した。600TT2のカンチレバー式リアサスペンションに対し、750F1のファクトリーマシンは、ライジングレートリンクでリアショックユニットを懸架するフルフローティング式リアサスペンションを持ち(プライベーター向けに市販されたNCR製の750F1はTT2と同仕様のカンチレバーだった)、スイングアームも極太ラジアルタイヤを装着することができる角断面のアルミ製ワイドスイングアームを採用していた。

1984 750 TT1 エンデュランスの画像

リアショックをリンクで介してスイングアームにマウントしている“フルフローティング式”を採用。後の851系がこの方式を採用している。ショック本体にはスプリングレスのダブルエアショックを採用。

この750F1は、84~86年の世界TTF1選手権に出場したが、初期のモデルはフレーム剛性が今ひとつでハンドリングが悪く、TT2のような好成績を残すことができなかった。それでも86年のミサノラウンドでは、M・ルッキネリのライディングによって750F1は表彰台の最上段に登った。また、750F1は世界TTF1選手権での活躍以上に、耐久レースでの活躍の方が印象深かったと言えるだろう。スプリント仕様のF1にデュアルヘッドライトと発電容量の大きなアウタージェネレーターを装着した750F1エンデュランスは、ドゥカティファンの多いスペインのモンジュイ24時間耐久レースや本国のムジェロ24時間耐久レースで大活躍したのだった。70年代に耐久レースで復活し、その名を馳せたドゥカティが、80年代に入っても伝統の耐久レースで見事なまでに活躍したのである。

ここに紹介するマシンは、ボローニャのミュージアムに展示されている耐久仕様のマシンである。この耐久仕様車以外に、ミュージアムには2台のファクトリーF1があり、1台はTTF1仕様で、もう1台は排気量を851ccに拡大し、86年のデイトナBOTTで優勝した(ライダーはM・ルッキネリ)750F1の最終バージョンである。前後16インチホイールを装着したこのマシンが、後に最強のロードバイクとして市販化された“750F1モンジュイ”のイメージリーダーとなっているのは言うまでもない。750F1系エンスージアストにとって、このファクトリー仕様の750F1は、究極かつ憧れのマシンなのである。

1984 750 TT1 エンデュランスの詳細写真

1984 750 TT1 エンデュランスの画像
フランスのシビエやマーシャルを取り付けるチームが多かった中で、ドゥカティはイタリアのキャレロ製ヘッドライトを装着していた。キャレロを採用したのは、83~85年当時の市販車が、同メーカーのヘッドライトを採用していたからである。
1984 750 TT1 エンデュランスの画像
フロントホイールにはマービック製のマグネシウムホイール。ディスクローターにはブレンボ製の320φドゥカティ用スペシャルディスクを採用した。フロントフォークはマルゾッキM1-Rのファクトリー仕様で、ボトムケースは削り出し部品となっている。
1984 750 TT1 エンデュランスの画像
耐久レースではブレーキパッドも頻繁に交換しなくてはいけない。このブレンボ製エンデュランス仕様は、同社の4ポッドキャリパーをクィックピンで簡単に脱着できる仕様としたものだ。
1984 750 TT1 エンデュランスの画像
ガソリンタンクはFRP製を採用。タンク内部が透けて見える伝統の仕様だ。
1984 750 TT1 エンデュランスの画像
シリンダーヘッドへのオイル圧送は外部オイルライン式となっている。
1984 750 TT1 エンデュランスの画像
現代のレーシングマシンと比べ、短いサイレンサーがこの時代のLツインの特徴となっている。エンジンは高回転仕様だが、車体が軽いので、低速トルクも十分だった。
1984 750 TT1 エンデュランスの画像
箱型のシートカウルにはバッテリーとテールランプが納められている。
1984 750 TT1 エンデュランスの画像
角断面のアルミ製スイングアームはベルリッキ製で、スタビには丸パイプを使用。
1984 750 TT1 エンデュランスの画像
シフトアップタイミングは9000rpmという意味を示すタコメーター。

1984 750 TT1 エンデュランスのスペック

総排気量
748cc
ボア×ストローク
88×61.5mm
圧縮比
11.0対1
最高出力
84hp/11,400rpm
始動方式
セルスターター
点火方式
フルトランジスタ
クラッチ形式
乾式多板
変速機形式
5速リターン
キャブレター形式
デロルトPHF43
乾燥重量
135kg

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