VIRGIN DUCATI | ドゥカティ モンスター400 試乗インプレッション

モンスター400の画像
DUCATI Monster 400

ドゥカティ モンスター400

  • 掲載日/2009年08月18日【試乗インプレッション】
  • 取材協力/Ducati Japan  バイクブロス×マガジンズ編集部 ムラヤマ

日本専用として設計された
ミドルサイズモンスター

現在では生産終了のためラインナップから消えてしまってはいるが、かつてドゥカティには日本専用の小排気量モデルとして400SSとモンスター400があり、その中でもモンスター400は特に人気が高く、2008年まで日本市場に向けて出荷されていた。このモデルをきっかけに情熱のイタリアン・スポーツに傾倒していったライダーは多い。398ccの空冷2バルブデスモドロミックエンジンは、ヨーロッパなどと免許制度の異なる日本のために作られた特別なもので、扱い易さとドゥカティらしいパワーフィールの評価は高く、ビギナーからベテランまで幅広い層のユーザーから支持されていた。今回は幸運にも最終モデルである2008年式のモンスター400を試乗する機会に恵まれた。数多くのライダーをドゥカティスティへと導いていったロングセラーモデルの実力を、早速確認してみたい。

モンスター400の特徴

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初代モンスターの面影を残す
美しいイタリアン・ネイキッド

ドゥカティの人気モデルであるモンスターシリーズは、その長い歴史の中で幾度もスタイルを変えている。その中でも、最も初代モデルに忠実な形を保ち続けているのがモンスター400だ。トレリスフレームとグラマラスなボディラインによって作り出される美しいスタイルは、世界を沸かしたデビュー当時の面影をしっかりと受け継いでいる。それが一番顕著な部位がマフラーで、現行のモンスター696/1100へとフルモデルチェンジする前にも何度か取り回しやデザインが変更されているが、モンスター400には初代同様のスタンダードなレイアウトが継承されている。ただ、全体のデザインとしての変更は無いものの、一部機能パーツには変更が加えられている。中でもブレーキは2007年モデルより、それまでの鋳造4ポットキャリパーから、スポーツクラシックシリーズに採用された新型の片押し2ポットタイプに変更されている。そのため、こだわるファンの中では赤く塗装されたフレームと4ポットキャリパーを採用する2006年モデルの人気が高い。

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また、美しいスタイルや高い走行性能と引き替えに、積載能力をはじめとする快適性については割り切ったものになっている。タンデムシートやグリップを備えるものの座面自体は決して広いものではなく、あくまでもメインは一人乗りだと思っておいたほうがいい。シート下には小物どころか書類を入れておくスペースもなく、ヘルメットホルダーもワイヤー一本というシンプルさだが、「スポーツを楽しむ趣味の乗り物」と考えれば、これはこれでアリな構成だ。それとトレードオフされるライディングの快楽は、全方位に優等生な国産ミドルネイキッドでは決して味わえないものがあるのだから。

モンスター400の試乗インプレッション

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乗り易さだけで終わらせない
エキサイティングなスポーツ性能

正直に告白してしまうと、走り出す直前までモンスター400を甘く見ていた。大排気量モデルが多いドゥカティのラインナップにおいて「スペック的にも物足りない400ccのエントリーモデル」というのが個人的な印象だったが、それは大きな間違い。確かに、大排気量空冷デスモのような強烈なピックアップは無いし、最高速度もメーターからすれば物足りないレベルだ。性能の数値を同排気量の国産と比較しても、決して傑出したものでは無い。しかし、走ってしまうとそんな余計な情報はふっ飛んでしまった。跨れば、低くワイドなポジションがモンスターの血統であることを強く主張し、エンジンの回転を上げていけばミドルサイズの空冷デスモが力強くもエモーショナルな感覚をライダーに伝えてくれる。走る距離が伸びれば伸びるほど、気軽なミドルネイキッドだろうと力を抜いていた身体が目覚めはじめ、自分が走りに貪欲になっていくのを感じることが出来るほどだ。

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何より素晴らしいのは、スペックに出ないモンスター400の「軽さ」だ。数値的にも軽いのは事実なのだが、ワインディングでの軽やかな走りは、モンスター400だけの特別な魅力。一般的なミドルネイキッドによくある「バイクにまかせておけば安心」といったコーナリングはこのバイクには許されず、ライダーが積極的にアクションを行うことが要求される。バイクまかせの態度を捨ててスロットルとブレーキングできっかけを与えれば、まるで高いところから倒れていくような、ドゥカティならではの鋭い旋回が乗り手を待っている。

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また、大排気量デスモが持つ鋭いピックアップが無い分、不安なく大胆なアクセルワークを楽しめるため、ツインエンジンが持つ高いトラクション性能をビギナーでも満喫することが可能だ。もちろん、ベテランになればエンジンをキッチリと高回転まで使いきることで相当なコーナーリングスピードを期待できる。モンスター400は、足着きが良くて、初心者でもとっつき易いだけのバイクではない。小さなエンジンの中にドゥカティのスポーツバイクに対する哲学が詰め込まれた、エキサイティングなスポーツマシンと言えるだろう。

プロフェッショナル・コメント

美味しいところを楽しめる
最高のエントリーモデル

モンスター400はドゥカティの入門モデルとして、本当に最高のバイクですよ。熟成されているのでメカニカルなトラブルはほとんどありませんし、適度なパワーでとても乗り易いのが特徴。それでいてしっかりとドゥカティらしいパワーフィールとコーナーでの「ヒラリ感」が味わえます。また、シート高が770mmと低いので女性も安心して乗れるのも良いところです。カスタムパーツも豊富なので、さらにシートを低くするのはもちろん、オリジナリティのある1台を作ることも出来るなど、ドゥカティの美味しいところを気軽に味わえるモデルと言えますね。(ドゥカティ埼玉南 山本 賢さん)

取材協力
住所/埼玉県川口市桜町1-6-11
定休日/毎週月曜、第2・4火曜
営業時間/10:00~19:00
電話/048-288-8108

モンスター400の詳細写真

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日本専用の398cc空冷2バルブデスモドロミックエンジン。普通二輪免許にあわせた排気量の中で、ドゥカティらしさを味わえる名機だ。
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メーターは上位モデルのモンスターと同じものが使用されているため、メーターは260km/hまで刻まれている。
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フロントブレーキはスポーツクラシックと同じブレンボ製片押し2ポットキャリパーを採用。2006年までは鋳造4ポットだった。
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おにぎりのような三角形のミラーは視認性良好。体格や好みにもよるが、現行モンスターよりも後方確認がし易い印象。
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スリムなシートは770mmという高さで足着き性が抜群に良く、身長174cmの筆者だとべったり両足のかかとが着くほどだ。
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マフラーはスタンダードな左右両出しタイプ。最後まで初代モンスターにもっとも忠実な形状を保っていたのはこの400だった。
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タンクを簡単にリフトアップ出来るのもドゥカティの特徴。タンク前部の固定金具もモンスターのアイデンティティのひとつ。
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あまり目立たないが、シートの両サイドにはタンデムグリップが備えられている。デザイン的に違和感が無いため好印象。
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シート下には余剰スペースが無く、小物などは入れられない潔い設計。唯一ヘルメット保持用のワイヤーリングが装備されている。

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