VIRGIN DUCATI | ドゥカティ スーパーバイク1198S 試乗インプレッション

スーパーバイク1198Sの画像
DUCATI Superbike 1198 S

ドゥカティ スーパーバイク1198S

  • 掲載日/2009年06月25日【試乗インプレッション】
  • 取材協力/Ducati Japan  構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部

世界選手権マシンの技術が注入された
ドゥカティのフラッグシップモデル

“ドゥカティ”というメーカーから最も強く連想されるもの…それはやはり“レース”。1950年にはじめてワークス活動を開始して以来、ドゥカティは積極的にレースに参戦し、マシンを鍛え上げてきた。近年では市販車ベースで行われる世界スーパーバイク選手権で他を圧倒するだけでなく、2輪モータースポーツの最高峰MotoGPでもワールドチャンピオンを獲得している。そこで得られた技術は言うまでもなく公道モデルにもフィードバックされているが、その中でもサーキット直系と言える存在が「スーパーバイク」シリーズだ。今回試乗インプレッションで取り上げるのは、現時点での最高峰モデル、スーパーバイク1198S(以下1198S)。2008年の世界スーパーバイク選手権王者であるトロイ・ベイリスのマシンから還元した技術を、ダイレクトに取り入れたこのバイクのパフォーマンスを味わってみたい。

スーパーバイク1198Sの特徴

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突き詰めた機能性が作り出す
完成された美しさが魅力

美しいバイクを作ることに定評があるドゥカティだが、1198Sのスタイルにはデザインだけでない、究極の機能美を感じさせるものがある。スーパーバイク1098と同様のカウリングの中には、必要なクリアランスを残してきっちりと各パーツが収められており、操作系もライダーの動きが最小で済むよう設計されている。そのためにユーティリティ性を排除した潔さとなっており、最低限の書類と工具入れ以外の余剰スペースは皆無。もしそういった部分を求めるのであれば、メーカーオプションや社外品などで補う必要があるだろう。ただ、1198Sの素性とバックボーンを考えると、こういう割り切った設計はむしろ好ましく感じるポイントだ。

1198Sの魅力は、ルックスだけにとどまらない。むしろ機能美を追求した車体の内側に秘められたメカニズムこそ、最大のアピールポイントだ。エンジンは国内仕様でさえ155HPを発揮するL型2気筒4バルブ水冷デスモドロミックを搭載。前後にはオーリンズ製フルアジャスタブルサスペンションが装着されるほか、タイヤの空転を検知して抑制するDTCを標準で装備している。1098Rで用意されていたDTCはあくまでレース前提のものだったが、1198Sでは公道での使用を考えたものに進化。8段階に介入強度を設定することで、ストリートからサーキット走行まで幅広い範囲でライダーをサポートしてくれる。ただ、やはりノーマル状態では少々サーキットにより過ぎているところがあるので、公道で使用する場合はDTCの設定を含め足回りの調整を行っておくことをおすすめしたい。また、1198Sにはライダーの走行データを記録するDDA(ドゥカティ・データ・アナライザー)が標準装備となっているため、自分がどれだけアクセルを開け、速度を出したのかなどの細かい記録を検証可能。設定幅の広いサスペンションとあわせ、ストイックに走りを追求するライダーにとって、1198Sは非常に「使える」要素が多い1台だ。274万円と決してリーズナブルな車両ではないが、その価格に応じただけのパフォーマンスを持っているのは間違いない。現在一般で市販されているスポーツバイクの中で、頂点に位置する1台と言えるだろう。

スーパーバイク1198Sの試乗インプレッション

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扱い易さと速さを両立する
奥深いスポーツマシン

「レースの技術を存分に注入したスポーツバイク」と言うと、もしかすると身構えてしまうライダーもいるかもしれない。かく言う私自身も、ドゥカティのフラッグシップということで若干の緊張を感じていたが、いざまたがってスロットルを開けていくと、そんな心配は杞憂だったことが分かった。誤解を恐れずに言うと、150馬力を超えるバイクとは思えないほどフレンドリー。例をあげるなら、一般的にこの手の車種は低速トルクが弱く、ゆるやかな速度での走行を強いられる街中において不快に感じることが多い。しかし、1198Sは低中回転域のトルクが太いため、見た目に似合わずゆっくりと走ることも苦手としないのだ。本来のポテンシャルを気持ちよく使えない不満は感じるかもしれないが、ギクシャクして乗りにくいということが無く、本来の性能を隠したままスムーズに交通の流れに合流可能。さすがに高い出力を発揮する大排気量エンジンだけに発熱量が多く、あまりに長時間の低速走行はおすすめできないが、その点を考慮しても市街地などでの扱い易さは際立っている。ポジションも確かに前傾がきついが、上手く身体を支えられるポジションを見つけると、意外なほど疲れを感じなかったことも特筆すべき点だろう。

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1198Sが本領を発揮するワインディングなどにおいては、その実力は改めて語るまでもない。街中を快適に走れる柔軟さはそのままスポーツライディングでの乗り易さに繋がっており、それ相応の速度に達してもライダーは恐怖感なくコーナリングを楽しめる。ライディングの基本をしっかりとこなさねば曲がりにくい、というドゥカティならではの特性は感じられるものの、これまでのスーパーバイクと比較しても格段にイージーになっているため、エキスパートでなくともドゥカティの速さを堪能できてしまう。特にブレーキは強力な制動力と高いコントロール性を両立しているため、ハイスピードレンジからでも余裕あるブレーキングが可能だ。また、新たに装着されたDTC(ドゥカティ・トラクション・コントロール)の効果は高く、滑り易い路面状況でも適切に安定感を保ってくれる。本来の限界値はサーキットでないと使いきれないほど高いが、ストリートを楽しめる「やさしい速さ」も併せ持つのが1198S。世界の頂点を極めたマシンの門戸は、多くのライダーに向けて広く開かれている。

プロフェッショナル・コメント

ドゥカティの進歩を感じさせる
気負わず乗れるスーパーバイク

「スーパーバイク1198Sはラインナップの頂点に立つモデル。“速過ぎて扱えないのでは…”の相談を受けることもありますが、実はとても乗り易いんです。スーパーバイクシリーズは尖がったバイクと思われがちなのですが、1098以降安全で楽しく使えるバイクになりました。1198SではDTCが装備されているため、もっと安心して乗れるようになっていますよ。また、これまでのモデルと比較してもバイクの動きが分かり易いので、気負わずに楽しめるのではないでしょうか。レースでドゥカティに憧れたけど自分に乗れるか分からないという方こそ、まずは試乗してみて欲しいですね。きっと普通に乗れてしまうから驚くと思います(笑)。もちろん、ドゥカティらしいエキサイティングな面白さはしっかりと持っているのでご安心下さい。速くて乗り易くて何より面白い! それが新しいスーパーバイク最大の魅力です」(ドゥカティ高崎 ストアマネージャー 秋山 亮さん)

スーパーバイク1198Sの詳細写真

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メーターは多機能なデジタルタイプを搭載。ハンドル左に設置されたスイッチを使い、簡単にトラクションコントロールなどの設定が行える。
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車両には別途シングルシートカウルが付属しているので、気分や用途に応じてスタイルを自由に選択可能。
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シート高は820mmとスポーツバイクらしく高めの設定だが、車体幅がスリムなため足つきは思った以上に良い。
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オーリンズ製のステアリングダンパーが標準で装着されている。調整幅は広く、公道なら最弱レベルで十分だろう。
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フルアジャスタブルのオーリンズ製フォークは窒化チタンコーティング済み。キャリパーはブレンボ製ラジアルマウントモノブロックキャリパー。
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リアサスペンションもオーリンズ製のフルアジャスタブルタイプ。1198と違い、こちらはトップアウトスプリングが組み込まれている。
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セミラジアル式のマスターシリンダーを左右に採用。レバーの引き込みは程良い重さで分かり易い操作感だ。
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1198Sの足元はマルケジーニ製の軽量鍛造ホイール。形状も専用のGPレプリカタイプとなっている。
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リアシートを外すと、車載工具のほか走りのデータを解析するDDA(ドゥカティ・データ・アナライザー)が収納されている。

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