VIRGIN DUCATI | ドゥカティ スーパースポーツ S 試乗インプレッション

スーパースポーツ Sの画像
DUCATI SuperSport S

ドゥカティ スーパースポーツ S

  • 掲載日/2017年06月26日【試乗インプレッション】
  • 取材協力/Ducati Japan  取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

SSの名を冠して10年ぶりに復活
「最も美しいバイク」に選ばれる

2016年10月にドイツ・ケルンで開催された世界最大級のモーターサイクルショーにおいて、ドゥカティとして10年ぶりに「スーパースポーツ」の名を冠して華々しく登場したのが「SuperSport」だった。続く2016ミラノ国際モーターサイクルショー(EICMA)では、「もっとも美しいバイク」に選出されるなど、発売前から大きな期待をかけられたファン待望のブランニューモデルがいよいよ日本に上陸した。コンセプトは「日常的なシーンでの快適性と扱いやすさに重点を置いたスポーツバイク」。果たしてその実像とは。

動画 『やさしいバイク解説:ドゥカティ スーパースポーツS 』はコチラ

スーパースポーツ Sの特徴

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高トルクなハイパー系水冷Lツインを
伝統のトレリスフレームに搭載

スーパースポーツは「日常のあらゆるシーンでスポーティなライディングを楽しむ」ために開発されたモーターサイクルである。ドゥカティにはパニガーレ・シリーズに代表されるスーパーバイクファミリーが存在するが、そのスポーツ性能に加え、多用途性を融合しているのが特徴だ。つまり、街中での俊敏な走り、高速移動での快適性、ワインディングでのスポーティな走りを含め、多目的に使えることを目標にしている。

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エンジンは新型ハイパーモタード系がベースの水冷L型2気筒テスタストレッタ11° 937ccで、最高出力は109hp/9,000rpmを発揮。フラットカーブが特徴のトルクは最大で6,500rpmで93.0Nmを発生。3種類のライディング・モード(スポーツ、ツーリング、アーバン)が設定され、ライダーの好みやスキルに応じて走行中でも素早く切り換えることが可能だ。

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フレームはエンジンを強度メンバーとして利用する伝統のトレリス構造の最新版で、軽量コンパクトかつ高剛性を生かした俊敏なフットワークと直感的なマシンコントロールを実現している。約210kgの装備重量と最適化されたジオメトリー、1,478mmのホイールベース、180/55のリヤタイヤによって、市街地やタイトコーナーでの扱いやすいハンドリングと高速コーナーでの安定性を両立。リラックスできるライディングポジションと高さ調整可能なウィンドシールドによる防風効果、16リットルの燃料タンクによる航続性能により、快適な中距離ツーリングが可能だ。ドゥカティ・セーフティ・パック(ボッシュ製ABS+ドゥカティ・トラクション・コントロール)が標準装備され、安全性が向上していることもポイントだ。

また、上級バージョンとして設定された「S」には、オーリンズ製前後フルアジャスタブル・サスペンション、ドゥカティ・クイック・シフト(シフトアップ/シフトダウン)、リアシートカバーが装備され、一層スタイリッシュな外観とハイグレードな走りを実現している。純正アクセサリーも豊富にラインナップされ、ユーザーニーズに合わせてカスタマイズできる点も魅力だ。

スーパースポーツ Sの試乗インプレッション

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かつてのSSを思わせる軽快な扱いやすさ
パッション溢れるワイドレンジな走りが魅力

ドゥカティとしては10年ぶりにスーパースポーツ=SSの名を冠したモデルとして登場したのが「スーパースポーツ」とその上級バージョンの「S」である。

ドゥカティにおけるスーパースポーツとは、先代の900SSに続くSS1000DSがそうであったように、ストリートにおいて最高のスポーツライディング体験を味わえるモデルであり、最新モデルでもその立ち位置が貫かれている。

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一見しただけでドゥカティ一族と分かる外観はパニガーレにも似ているが、よく見ると同じパーツはひとつもないほどディテールは異なっている。デザインもより丸みがあり有機的で、フルカウルの車体もひとまわり大柄な感じだ。

跨ってみるとシートは低めで、前後サスの初期の沈み込み量も多めのためか、足着きはとても良い。そして、このモデルの性格を如実に表しているのがハンドルの位置。クリップオンタイプではあるが、トップブリッジの上にクランプされていてかなり高めだ。スーパースポーツというネーミングから想像していた以上に上体が起きた楽なライディングポジションである。座面が広いフラットなシートとも相まって街乗りや長距離移動でもだいぶ快適だ。

パイパーモタード系の水冷Lツインをベースに最適化されたエンジンもまたキャラが立っていて面白い。ひと口に言えば中速トルク型。3000~9,000rpmがパワーバンドと言えるほどワイドレンジの出力特性で、回さなくても加速するし緩く走っていても速い。回すほどにパワーが漲るパニガーレとは対照的だ。

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エンジンの鼓動もよりワイルドで一発一発の爆発感が明確に感じられる。パニガーレの極めて洗練されたスムーズな回転フィールとは趣を異にするものだ。鋼管トレリスフレームのしなやかな乗り味や、カンチレバー式リアショックのダイレクトな接地感なども含め、ある意味、空油冷エンジンを搭載したかつての名車、90年代の「900SS」を彷彿させるパッション溢れる乗り味だ。おそらく開発陣はそこも意識したのだと思う。

「S」は前後フルアジャスタブルのオーリンズ製を装備しているが、感心したのは乗り心地の良さ。元々が初期作動性に優れるソフトなセッティングだが、フロント130mm、リヤ144mmという豊富なストローク長を生かして路面の凹凸をきれいにいなしてくれる。

ハンドリングも軽快かつ素直で分かりやすい。およそドゥカティらしからぬと言っては失礼だが、畏れ多い感じがないのだ。かつてのドゥカティ、特にスーパーバイク系は「ピンポイント」と揶揄されるほどシャープで、素人がうかつに手を出せない気難しさがあったが、それも昔の話。最近ではパニガーレでさえ街中で普通に扱えるほどだ。

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話が脱線したが、スーパースポーツなら国産モデルから乗り換えてもすんなり馴染めると思う。重心位置が比較的低くフラットな車体姿勢ということもあり、倒し込みから深くリーンしていくまでのバンク角のつき方やステアリング舵角の当たり方が、とても自然な感じで安心できる。また、フルカウルモデルとしてはハンドル切れ角も豊富で、極低速でも粘るエンジンとも相まってタイトターンもやりやすい。一方で高速コーナーでのライントレースの正確さはドゥカティならでは。豊富なフロントの接地感とともに、狙ったところにフロントタイヤを通していける感覚はパニガーレにも通ずるものがある。

また、ブレンボ製のラジアルキャリパーは強力だがタッチはおだやかで、握り込むほどにジワッと効いてくるタイプ。「S」は同じ倒立フォークでもインナーパイプ径がひと回り太いこともあり、ブレーキングにおけるフロントまわりの剛性感もしっかりしている。ABS作動時のキックバックも少なめで車体の挙動も安定していた。

ライディングモードも試してみたが、手元のスイッチで簡単に切り替えられるし操作性も良い。「スポーツ」モードはかなりパワフルでレスポンスも俊敏になり、場所を問わずキビキビと走れる。逆に「アーバン」モードにすると穏やかで扱いやすく、スロットル操作に気を遣わずに済むので楽に乗れるし、トラコンの介入も早いので滑りやすい路面などでは安心。「ツーリング」モードはその中間といった感じだ。欲を言えば、モード切り替えでスイッチを「長押し」する時間をもう少し短縮してくれるとさらに嬉しいのだが。

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「S」にはクイックシフターが装備されているが、シフトアップだけでなくダウンも有効なため、発進時以外はほとんどクラッチを使わずに済む。本来はサーキットでのタイム短縮のための機構だが、街乗りレベルでもその便利さに慣れると元に戻れなくなるほどだ。特にコーナー手前で忙しくシフトダウンが求められる場合などは最高に楽できる。一点気になるとしたら、渋滞時に内ももに感じるエキパイの熱ぐらいか。

どこから見ても美しいイタリアンデザインの魅力はもちろん、サーキット性能に加え、街乗りやロングツーリングでの使い勝手や快適性を底上げすることで、多用途性を高めている点が素晴らしい。パニガーレでは敷居が高いと思う人でも、スーパースポーツであれば性能やパワー的にも丁度いいかも。ドゥカティ本来のスポーツマインドを犠牲にすることなく、より幅広い使い方をしたい人にはおすすめの一台だ。

スーパースポーツ Sの詳細写真

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ハイパーモタード系の水冷Lツイン937cc「テスタストレッタ11°」をベースに吸排気系を見直し最新電子制御システムを投入。3種類のライディングモードや8段階のDTC(ドゥカティ・トラクションコントロール)を搭載。3,000rpmで最大トルクの約80%を発生し、9,000rpmでも最大トルクの約90%をキープするワイドレンジな出力特性が特徴。
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フロントブレーキはφ320mmダブルディスク&ブレンボ製ラジアルマウントモノブロックキャリパーにボッシュ製9MP ABSユニットを組み合わせ、強力な制動力と安全性を確保。オーリンズ製倒立フォークはインナーパイプ径を4mm拡大したφ48mmを採用、チタンコーティングによってよりスムーズな作動性を確保している。
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リヤまわりはパニガーレ同様のアルミ製片持ちタイプのスイングアームにアルミ軽合金製Y字3本スポークタイプのホイールをセット。リヤショックもガスカートリッジ一体型のオーリンズ製を採用。マフラーはマス集中に貢献するショートタイプの上下二本出しタイプ。
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燃料タンクは16リットルと中距離ツーリングに十分な容量を確保しつつも後端部が絞り込まれたスリムなライディングポジションを実現。フロントカウルはボリューム感があり、エアプロテクション効果も高い。
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レッドステッチがワンポイントになっているシートレザーには、滑りにくく高級感のある素材を使用。座面は広めで座り心地も良い。「S」はタンデムシートカバーが標準装備されるが、簡単に取り外してタンデム仕様にすることが可能。
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タンデムやツーリングバッグ装着も想定し、しっかりと作られたシートレール。左のレール脇にはUSB電源ソケットを装備するなどITデバイスにも対応。
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上段にアイライン状に配置されたLEDデイタイムランニングライトが印象的なフロントビュー。ヘッドライトは右側がロー、左側がハイビーム。ウインカーはバックミラーにビルトインされる。
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スクリーンは小ぶりだが見た目以上に効果的。上下2段階に50mmの高さ調整が可能で、高速巡行ではハイポジションがおすすめ。ウインドプロテクション効果の違いが体感できるはずだ。
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コンパクトなLEDテールランプを採用。クリアレンズ仕様のリヤウインカーはライセンスプレートホルダーと一体式となっている。
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セパレートタイプのハンドルバーは、トップブリッジから上に突き出したフォーク部分にマウントされていることが分かる。左手元のウインカースイッチの長押しでライディングモードを選択できる。
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「S」にはクイックシフター(DQS)を標準装備。クラッチやスロットル操作を気にせず、シフトアップ&ダウンが可能な優れモノだ。サーキットだけでなく、市街地やワインディングでも重宝する。
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LCDディスプレイにはバーグラフ式のタコメーター、速度、燃費、燃料残量、ギアポジション、水温、時計、ライディングモード、ABSやDTCなどの情報を表示。オプションのDucati Multimedia Systemを使用してスマホの音楽や通知をコントロールすることも可能だ。

SPECIFICATIONS – DUCATI SuperSport S

DUCATI スーパースポーツ S 写真

価格(消費税込み) = レッド/180万9,000円 スターホワイト・シルク/183万9,000円
※表示価格は2017年5月現在

ハイパーモタード系水冷Lツインをトレリスフレームに搭載した、日常域でのライディングを楽しむためのスポーツモデル。「S」は前後オーリンズを装備した上級バージョン。

■エンジン型式 = 4ストローク 水冷L型2気筒DOHC4バルブ

■総排気量 = 937cc

■ボア×ストローク = 94 x 67.5mm

■最高出力 = 81.0kW (109ps) / 9,000 rpm

■最大トルク = 93.0Nm(9.5kgf-m) / 6,500 rpm

■トランスミッション = 6速リターン

■サイズ = 全長2,070mm× 全幅750 ×全高1,186mm

■車両重量 = 210kg

■シート高 = 810mm

■ホイールベース = 1,478mm

■タンク容量 = 16リットル

■Fタイヤサイズ = 120/70-17

■Rタイヤサイズ = 180/55-17

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