VIRGIN DUCATI | クラッチジャダーとは何ですか? ドゥカティQ&A

クラッチジャダーとは何ですか?

  • 掲載日/2008年10月27日【ドゥカティQ&A】
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ドゥカティオーナーがよく気にしている「クラッチジャダー」とは何ですか?

乾式クラッチモデルの半クラッチ時に発生する振動や異音のことです。
クラッチの扱い方でその発生を防ぐことができます。

ドゥカティが乾式クラッチを
採用しつづけてきた理由とは

多くの市販車が採用する湿式クラッチは、クラッチ周りに行き渡らせたエンジンオイルの皮膜が衝撃吸収材の役割を果し、半クラッチ時に適度な滑りを発生させてくれます。このため、長めに半クラッチを使ったり、多少雑なクラッチミートをしたりしても、スムーズに発進することができるのです。その反面、高回転高出力型のエンジンでは、滑りが大きすぎて大切なエンジンパワーを失うこともあります。このような場合は、プレート枚数を増やしクラッチ容量を上げて対処することが一般的ですが、これではクラッチハウジングが大型化してしまい、小型軽量化という面では不利になってしまいます。ドゥカティはこれを嫌って長年乾式クラッチを採用し続けているのです。また、今でもスーパーバイクシリーズなどの高性能モデルが乾式クラッチを採用しているのは、同じ理由からだと思われます。

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ドゥカティは古くから乾式クラッチを採用してきました。それは湿式クラッチにはないメリットがあるからです。

クラッチジャダーが
発生するメカニズム

乾式クラッチはエンジンオイルと隔離されているので、そのコンディションに影響されることがありません。また、クラッチをミートする場合はプレートとフリクションディスクの密着度は最大限に維持され、クラッチを切る場合もスパっと心地よい操作感が得られます。ドゥカティの多くのモデルで湿式クラッチが採用されるようになった現在でも、乾式クラッチ搭載モデルにこだわりを持つオーナーが多いのは、こうしたフィーリングを重視しているからかもしれません。さらに、クラッチ周りの放熱という面でもアドバンテージがあるようです。しかし、停止状態からのスタート時など、クラッチプレートとフリクションディスクの速度差が大きい場合、それ適度に吸収してくれる油膜が乾式クラッチには存在しません。そのため、ミートの仕方によってはクラッチを中心に異常な振動や「ガガガッ」という異音が発生することがあるのです。これが多くのオーナーを悩ませてきたクラッチジャダーという症状です。

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ジャダーが発生すると、クラッチハウジングが叩かれ打痕が残ることも。メンテナンス時の重要ポイントです。

クラッチジャダーを
防ぐには

簡単に言ってしまうと、できるだけ素早くクラッチを繋ぐようにすれば、このクラッチジャダーをかなり防ぐことができます。特に、低速トルクが豊かなエンジンであれば、スロットルの開け始めでクラッチをスパッと繋いでも、スムーズに発進できるので不都合はないずです。乾式クラッチモデルの場合は、常にクラッチが繋がってからスロットルを開けるように心がければ良いでしょう。また、エンジンを高回転に保った状態でスタートする場合でも、基本的には低回転時と同様にできるだけ半クラッチの時間を短くすることが重要です。車重が軽いドゥカティの場合、ウィリーしやすい傾向にありますが、これを恐れて半クラッチの時間を長く取ってしまうと、フリクションディスクに張られているフェーシングと呼ばれる摩擦材が熱により変質し、クラッチプレートにも熱害が及ぶ可能性がありますので注意が必要です。

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クラッチドラムの溝に残る打痕も要チェック。この溝が深くなるとニュートラル時にカタカタと音が発生します。

慎重すぎるのも考えもの
クラッチミートは大胆に

多くの乾式クラッチモデルのオーナーがジャダーの発生に敏感になる理由はもうひとつあります。それは、日常的にジャダーを発生させていると、フリクションディスクやクラッチプレートだけではなく、クラッチハウジングにも悪影響が出るからです。クラッチミート時に、ジャダーによってフリクションディスクがガタガタと振動すると、その外周の爪がハウジングを回転方向に激しく叩くことになります。すると、ハウジングの叩かれた部分に打痕が残り、これがまたジャダーを誘発する原因となってしまうのです。また、こうした症状は、ジャダーの発生を気にするあまり、丁寧過ぎるクラッチミートが行われてきた車両に多く見られるようです。乾式クラッチモデルの場合、あまり慎重に扱うというのも考えものかも知れません。

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打痕がついたクラッチハウジング。ニュートラル状態でカタカタ音が発生したら交換時期が近いというサインです。

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