VIRGIN DUCATI | 完ぺきな調色と高いセンスがライダーを納得させる! TOMY TOYS DESIGNの力量 特集記事&最新情報

ツーリングライダーを満足させるデイトナのサドルバッグ&サポート
取材協力/TOMY TOYS DESIGN ドゥカティ大阪箕面  取材・文/佐賀山 敏行
写真/鶴身 健  構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
掲載日/2013年11月27日

INTERVIEW

オリジナルペイントから
純正リペアペイントまで対応

バイクの印象を決定づけるのに大きな役割を果たすのがカラーリングだ。鮮やかなイタリアンレッドのマシンを見れば、誰もがドゥカティを思い浮かべるように、マシンの印象を左右する非常に重要なポイントだと言える。だからこそドゥカティユーザーは、愛車のペイントに強いコダワリを見せる。

 

そんなユーザーたちを唸らせるのが、東大阪市にあるトミートイズデザインだ。今年で5年目を迎える同社の代表を務めるのが桑山富彦さん。若かりし頃、トロイリーデザインに魅せられてペイントに興味を持った桑山さんがこの世界に足を踏み入れたのは、19年前。23歳で大阪の老舗ペイントショップ「スプレイハウス」に入社し、最終的にはチーフペインターとなる。その後、専門学校でペイントの講師を務めた。そして 2008年には独立、トミートイズデザインを設立したのである。

 

桑山さんが仕事の上で最も重視しているのは2点。“妥協しないこと”と“納期を守ること”。桑山さん曰く「美しく早くが信条です」とのこと。ディーラーやショップからの仕事も多く、そのため純正ペイントにおいても造詣が深い。「リペアペイントが得意で、たいていのものはリペアできます。ドゥカティはカウルを買い替えるよりも、ペイントのほうが安いことも多いんですよ」

 

そのノウハウは非常に豊富で、例えばドゥカティは同じモデルでもロットによって微妙にカラーが違い、それらは実際にモノを見て色を合わせていくと言う。「だから作り置きができないんです。赤でさえ、ですよ」と笑う。

 

自身が 848 乗りということもあって、ドゥカティには並々ならぬ思い入れがある。「カスタムペイントは敷居が高いと思われますが、決してそんなことはない。ネイキッドモデルが8万円~、フルカウルの場合は 15万円~として、予算から相談させてもらうので、ぜひ一度、遊びに来てください」

谷川福康さんは最近、カスタムショップ「ARTZ CRAFT」でポールスマート 1000 LE を製作した後、トミーズトイズデザインでペイントを行った。谷川さんがトミートイズデザインでペイントをお願いするのは今回が2回目であり、はじめて同店を訪れたのは 2010年のことだった。

 

「僕はマン島 TT レースが好きで、オリジナルショップ『タスデザイン』も運営しているのですが、2010年にイアン・ハッチンソンがメインレースで5勝を挙げたのを記念して発売されたヘルメットが入手できなかったのです。そのモデルをベースにしたオリジナルヘルメットがほしいと思って、インターネットを検索しているうちにトミートイズデザインを知りました」

 

サイトを見る限り、細かな注文や予算など、融通も利かせてもらえて作品も良さそう。というわけで、さっそくヘルメットペイントをオーダーしたそうだ。結果、出来上がったヘルメットは非常に満足のいくもので、その後も気に入ってずっと被っていたと言う。そして、ポールスマート 1000 LE を入手。ARTZ CRAFT でカスタムをオーダーしたところ、ペイントショップとしてトミートイズデザインの名前が挙がった。「偶然知り合いだったみたいで(笑)。トミートイズデザインさんなら問題ないのはわかっていたので、ぜひ! という感じでしたね」

 

はじめはシルバーフレークを使った純正イメージを思い描いていたという谷川さんだが、お店にあった桑山さんの愛車 848 を見て衝撃を受けた。彼の 848 はマットカラーなのだが、ベースとなるのは純正と同じ色。「マットを載せると雰囲気が大きく変わるのだな」と驚くとともに、ポールスマートにも同じことをしてみたいと強く思った。

 

「シルバーがグレーっぽくならないか? ポールスマートのイメージが変わりすぎないか? いろいろと聞きましたよ」と、当時を振り返る。ほかにもマン島のシンボルマークである「トリスケル」や「DUCATI」のロゴもペイントで入れた。そして極め付きがスイングアームだ。じつは谷川さんのポールスマートはビンテージ感を増すために、2本サスを採用した GT1000 のスイングアームに換装しているのだが、桑山さんがそれをフレームと同色に塗り上げたのだ。「データはないので、見た目で色を作りました」と言うが、当然ながら違和感はまったくない。

 

出来上がった愛車の仕上がりについて「120 パーセント満足!」と、笑顔を見せる谷川さん。「ペイントはオリジナリティを出す有効な手段。ヘタにパーツを変えるより、ペイントをしたほうが見た目の雰囲気もガラッと変わるし、満足度も高いですよ!」

 

PICKUP PRODUCTS

ルックスをガラリと変える
ペイントこそ最高のカスタム手法だ

トミートイズデザインでは、これまで数多くのドゥカティペイントを手がけてきた。ここではそんな数ある作品のなかから数点をピックアップ。その技術力とセンスの高さを堪能していただきたい。また、当然ながら同店ではヘルメットなどのペイントも行っている。バイクに乗る際には必ず身に付けるヘルメットだけに、オリジナルペイントでより愛着を感じたいという人は多いはず。そして、トミートイズデザインの真骨頂ともいうべきが、純正リペアペイント。転倒などで傷ついたカウルやフューエルタンクなど、ほとんどの素材に対応し、もとのように修復とペイントを行ってくれる。まさにペイントを極めたスペシャルショップなのである。

 

本文にも登場した谷川さんの愛車が、このポールスマート 1000 LE。純正と同じシルバーフレークにマットを載せることで、イメージを一新している。大人のカフェレーサーといった佇まいだ。

ビキニカウルは純正より微妙にコンパクトに作られており、さらにふちをブラックアウトすることで、より細く見せている。カラーリングによる視覚効果をうまく使っているのだ。

マン島のシンボルであるトリスケルも桑山さんによって描かれたもの。チェッカーの大きさもはじめはもっと大きなものを考えていたが、桑山さんのアドバイスによって現状の大きさに落ち着いたそうだ。

フレームと同色のスイングアームも、じつはリペイントされたもの。純正カラーもまったく同じに再現できるので、スワップカスタムでも違和感のない仕上がりが可能。これには谷川さんも大満足!

モンスター696 は桑山さんの奥さんの愛車。ペイントのテーマは「ザ・イタリアン」とのことで、イタリアントリコロールが大胆に塗られている。ドゥカティユーザーに向けてのデモマシンでもある。

ホワイトはガラスフレークが混ざっていて、その上にレッドをペイント。純正風でありながらも、じつは純正とは異なるカラーリングで、より鮮やかで美しい仕上がりとなっているのだ。

デモマシンとして、とにかく目立てるようにペイントしたということで、レッドがじつに美しい。ちなみにいかにもドゥカティといった配色だが、実際の純正モデルにこの配色はない。

シートカウルもフューエルタンクと同色に塗られる。純正かと見紛う自然な仕上がりだが、じつは完全なカスタムペイント。こうしたオンリーワンなところもうれしいポイントだと言えよう。

奥さんのモンスター696 はテーマが「ザ・イタリアン」なだけあって、車体のすべてがイタリアントリコロールで覆われている。じつに派手な印象を与えるのだが、その分、存在感も非常に高い。

10トミートイズデザインのデモマシンであり、桑山さんの愛車でもあるのが、この 848 だ。イタリアンバイクらしく、トリコロールを全身にまといながらも、マットカラーで仕上げている。

11キャンディやメタリック、パールなどをふんだんに使いながらも、マットカラーを載せることでそのイメージを一新。高級感を残しながらもストリート感あふれるルックスとなっているのだ。

12企業ロゴなど、細かな箇所もすべてペイントで、ステッカーは一切使っていない。「デモマシンだからこそコスト度外視でできた。実際にはいくらになるんでしょう」と桑山さん。とにかく細かい!

13上部のブラックグラデーションは除き、ベースとなるのは奥さんのモンスター696 と同じ色だというからオドロキ。マット仕上げにするだけで、マシンンのイメージはこれだけ変わるのだ。

14フェンダーやマフラーガードなど、カーボンパーツにもスモークをペイント。さらにその上にマットクリアを重ねることで、マシン全体のイメージを統一している。トコトンこだわった1台なのである。

15アルスターカラーのパニガーレも、トミートイズデザインによるもの。しかしこのマシン、よく見ると企業ロゴやラインがワークスマシンと微妙に違う。じつはオーナーの遊び心が隠されているのだ。

16ペイントのテーマは「オーナーがワークスライダーだったら」というもので、基本的なデザインはアルスターを踏襲しながらも、オーナーならではの細かいコダワリがあちこちに反映されている。

17ラインにはマジョーラが使用され、見る角度によって色が変わる。もちろんワークスマシンに採用されていない。完全なレプリカではなく、オリジナルカスタムとしてペイントされているのがよくわかる。

18このマシンで使われていないパーツメーカーのロゴは、オーナーが考えたオリジナルロゴに差しかえられている。あくまでもオーナーが楽しむためのカスタムマシンとしてペイントされているのだ。

19桑山さん愛用のヘルメットから、レーシングライダーのヘルメットまで、それぞれオーナーが好むコンセプトのもと、オリジナルデザインでペイントされている。愛車に合わせてひとつは持っていたい!

20お店に持ち込まれたデスモセディッチ RR のシートカウル。これからキズはもちろんのこと、細かな文字も修復するという。ちなみにこれで修理代は3万6000円~(ファイバー修理代は含まず)とのこと。

SHOP INFO

TOMY TOYS DESIGN

住所/大阪府東大阪市玉串町東3-3-98

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定休/水曜、イベント日

営業/10:00~19:00

Tel/072-940-6230