VIRGIN DUCATI | Sport Classics ~ネオクラシック新時代~ トピックス

Sport Classics ~ネオクラシック新時代~

  • 掲載日/2011年04月28日【トピックス】
  • 文/Katsumi Taguchi  写真/Takao Isobe
    本記事は、DUCATI CDM 007(2004年2月発行)にて掲載されたものです

以前からその存在が噂され、2000年には開発が進んでいることをドゥカティ自らが認めたトラディショナルネイキッド。その注目のモデルが、2001年秋の東京モーターショーで世界初公開され、2002年1月末にはこのシリーズの正式発表が行われた。ここでは、開発者であるピエール・テルブランチへの単独インタビューを含め、スポーツクラシックシリーズに関する最新情報をお届けしよう。

スポーツクラシックは当初からシリーズ化を考えていた

スポーツクラシックシリーズの画像

東京モーターショーでは数少ないワールドプレミアムを飾ったスポーツクラシックス。CEOのフェデリコ・ミノーリ(写真左)は、大忙しの中、この発表のためだけに来日。デザイナーのピエール・テルブランチも来日し、スポーツクラシックを世界初公開した。

ドゥカティにとっては「思いがけない成功」だった。
プロダクションに向けた仕上げにGOサインが出た!

あのMH900eが発表された1998年秋。デザイナーであるピエール・テルブランチは、自身のなかでもう1台のバイクを想い描いていた。それはポール・スマートレプリカ=PS900だった。その後、MH900eはインターネットによる予約販売で限定2000台が生産され、世界中の熱狂的ドゥカティファンに向けて出荷された。当時を振り返りテルブランチは語った。

「仮に、プロダクションにGOサインが出たとしても、MH900eの想定生産数は300台くらいだと思っていた。ところが想像以上に好評だったことと、西暦2000年を迎えることでプロダクション数が2000台に決定された。この数字には多少戸惑いを感じました。しかし、今回の場合は、当初から数多くプロダクションできることを見据えた開発を進めてきました。プロジェクトのGOサインが正式に出たのが2002年6月。すでにスケッチは完成していたので、あとはどのように具現化していくかを考えるだけでした。当時の750SSイモラやレーシングマシンは、750GTや750スポルトがベースマシンになっていた歴史がある。今回は、GOサインが出た当初から“シリーズモデル化”を考えていました。そして、スポーツクラシックシリーズに発展したのです」

スポーツクラシックシリーズの画像

2003年12月末。我々の取材を快く受けてくださったピエール・テルブランチ。現在はスポーツクラシックシリーズの具体化に向けた作業が行われている。

「シリーズモデル化することで、プロダクションに対して合理性を高めることができます。3車ともに同一のエンジンを搭載し、足周り部品には同一パーツを使用しています。フューエルマネージメントやエアーボックス、ヘッドライト周りにも同一パーツを採用しています。3車の違う部分は、主に外装パーツと考えて良いでしょう。フレーム骨格やスイングアームに関しては、PS1000とSPORT1000がほぼ同一で、タンデムを考慮したツインショックのGT1000には、専用スイングアームを組み合わせています。フレーム骨格は同一ですが、GTはツインショックに対応した作りになっているのが特徴です」

スポーツクラシックシリーズの画像
スポーツクラシックシリーズに対する想いを語るテルブランチ。唯一、スポルトのタンク(クレイモデル)だけがオフィスに飾ってあった。「買うなら…」の裏付けか?
ピエール・テルブランチの画像
プロフィール
ピエール・テルブランチ
Pierre Terblanche
ドゥカティモーター社チーフデザイナー(2004年当時)。四輪デザイナーから大好きな2輪デザイナーへと転身。カジバCRC時代を経て98年にドゥカティのチーフデザイナーとなる。代表作にはスーパーモノ、MH900e、ムルティストラーダ、749/999シリーズがある。学生だった70年代に750GTの骨格をベースにしたマシンデザインに取り組んだこともあり、ベベルLツインシリーズには特別な想い入れがある。

若い頃に憧れた750Sの再現か!?

開発担当者としては、どのモデルが一番気に入っているのだろうか?

「気に入っていると言うよりも、一番大変で難しかったのがGT1000でした。そんな意味では、GT1000が好きですね。でも、買うことを前提とすればSPORT1000ですね。70年代の750Sにも憧れていました」

ドゥカティによれば、東京での発表直後から大きな反響があり、ボローニャショーの関係者からは「何故、東京なんだ! 年末のボローニャショーで発表してほしかった!」との抗議があったらしい。イタリア国内を始めヨーロッパでも絶大な関心が寄せられ、幅広い支持を得ることができたという。オフィシャルサイトでは、同シリーズに対するページ閲覧に31万件以上のヒットがあり、3台のモデルに対するアンケート調査では、1月中頃までに1万6000を超える回答を得ることができた。そして、その内容はポジティブな意見が大半だったという。

そして2004年1月末、ドゥカティはスポーツクラシックシリーズ3台すべての市販化を正式に決定した。発表によれば、第一弾のPS1000が2005年秋にプロダクション開始。同モデルは限定1000台を予定している。その後、2006年3月からSPORT1000、同年9月にはGT1000の生産に入ると発表された。気になる市販価格は、PS1000が1万4000~5000ユーロ。SPORTが1万1000~2000ユーロ、GTが1万~1万1000ユーロと発表された。価格幅は長期計画による正確な生産コスト確定ができないからとの補足がつけられている。尚、2004年3月1日~9月1日までの先行受注期間のオーダー分に関しては、各モデルに設定された最低価格が保証されるという(PS=1万4000ユーロ。SPORT=1万1000ユーロ。GT=1万ユーロ)。

ドゥカティモーター社CEOのフェデリコ・ミノーリによれば、「3台のバイクにもたらされた思いがけない成功に喜んでいる。3台のモデルにはドゥカティテクノロジーはもちろん、ドゥカティが生まれながらにして持つ永遠の美しいスタイルが備えられている。世界中のドゥカティエンスージャストたちから寄せられたポジティブなフィードバックを踏まえて、我々は、この夢を現実のものにする決断を下した」と力強く語っている。我々にとって夢への具体的な一歩、それは3月1日である。

スポーツクラシックシリーズの画像

Paul Smart 1000

正面から見るとMH900eを連想できるカウルデザインを採用。モンスターメタリックのシルバーがペイントされていたが、より目の粗いフレークペイントを望む声が多い。
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Sport 1000

ショー会場でも、もっとも人気が高かったイエロークラシック。確かに、3車の中で一番の仕上がりを見せていた。初代750のZラインでも似合いそうだ。
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GT 1000

予想以上に高い人気のGT1000。3台展示するために地味なカラーリングになったが、明るい色のカラーリングも考えられているようだ。オレンジメタリツクが似合う?

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