VIRGIN DUCATI | 世界が認める高い技術のアルミ造形 トピックス

世界が認める高い技術のアルミ造形

  • 掲載日/2012年02月07日【トピックス】
  • 文/Dan KOMATSU  写真/Yasushi TAKAKURA, Dan KOMATSU
    本記事は、 『DUCATI BIKES』 Vol.07 (2010年11月発行)にて掲載されたものです
アルミタンクの画像

長年の勘と経験で
生み出される職人技の塊

アルミタンクのビーターと言えば、レースの世界に足を踏みいれたことのある人なら、誰もが一度は聞いたことのある名前だと思う。鈴鹿8耐をはじめとした耐久レースでレギュレーションに合わせて作られているビッグタンクの多くは、ビーターの手により生み出されたものが使用されていることからもその信頼度の高さが伺える。

カタログに載るアルミタンクのレパートリーは、モンキーからデスモセディッチまで 50 機種以上という幅の広さ、ワンオフで製作したものもあわせると、その倍はくだらないというから驚きである。アルミタンク製作の巧、ビーター代表の仲原氏とはどんな人なのだろうか。

学生時代に金属材料について学んだ仲原氏は、卒業後フォーミュラカーなどを手がける、競技車両製作会社へと進む。

「数年4輪畑で修行したんですよ。その後独立しようとしたときに、何を作れば仕事として成立するかと考えました。フレームなども候補に挙がったのですが、その頃にすでに数個ワンオフで作った経験があった二輪の燃料タンクだったら、もしかしたらいけるかもしれないと思ったのです。それが今から 25、26 年ほど前のことなので、1985 年ごろのことですね。実際に始めてみると、ワンオフのタンクを注文してくることなんてそう無かったため、商売ベースとしては結構大変でした。でも時間が経つにつれ、様々なアルミタンクを作り、その型を蓄積してきました。そうすることでどんどん作れる車種の幅を広げることができました。レース関係の注文もありますが、公道で使用する一般ユーザーからの注文の方が多いです。最近は海外からの注文もありますよ」

出来上がったタンクは、とてもハンドメイドとは思えない仕上がりを見せる。さすがに長年アルミを叩き続けてきただけのことはある。もちろん現在も。ラインアップに無いタンクであっても、ワンオフでの注文に応えてくれる。

「この前 1198 のタンクを作ったのですが、話を聞くとレースに使うということだったんですね。サーキットでのスポーツ走行は伏せることが多いので、タンクの腹部に当たる部分の盛り上がりが気になるというのです。そういうことなら、盛り上がっている部分を少なくし調整しようということになったのです。それを実際にレースに使ったライダーは、とても具合がいいと喜んでくれました。このように色々と工夫できることも、アルミタンクならではのことです。このタンクは 1098 / 1198 用のタイプ R としてラインアップ予定ですので、スポーツライディングを楽しむ方に試して欲しいと思います」

アルミタンクの画像

タンクの売れ筋を聞いたところ、ドゥカティとカワサキが多いとのこと。車両に手を加え、自分オリジナルのバイクを作り上げようとするオーナーが多いのだろう。

「最近の純正タンクは樹脂素材のものが多くなり、アルミタンクも作りにくくなりました。というのも、コンピュータ設計と合わさってかなり複雑に入り組んだタンク形状になっており、それをダミータンクカバーで覆うという手法が増えているのです。そうすると昔のように、元々あるタンクの型をつくり、アルミで作りあげるという作業が行えなくなってきているのです。とは言え、大抵のものは作れてしまいますが。そんな樹脂タンクが増えてきたと思っていたら、1198 にはアルミタンクが装着されたモデルが出ましたね。ただ純正のアルミは約2ミリの肉厚のものを使っているのに対し、ビーターでは 1.2 ミリのアルミなので、重量的には全然違います」

実際にビーターが作ったアルミタンクを持ってみると、その軽さに驚くだろう。軽量化としてももちろん。例えば自分で考えたオリジナル形状のアルミタンクなど、ビーターでは色々なタンク遊びに対応しているのだ。

アルミタンクの画像
これは 1098 用 type B。実はこのアルミタンクは、デスモセディッチの形状をしているのだ。やや丸みを残したデザインが 1098 に違和感無くマッチするから不思議だ。
アルミタンクの画像
一番手前が 1098 の耐久用ビッグタンク。中央のスタンダードタイプと比べると、形状の違いが良くわかるだろう。約 24 リットルの大容量もすごいが、デザイン的にもいい。
アルミタンクの画像
これは今年の鈴鹿8耐に参戦したチーム・ラベレッツァの車両。ペイントせずに、パネルを貼り付けて、アルミ地の素材感を活かしている。とてもレーシーな雰囲気だ。
取材協力
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