2015 MotoGPレポート第16戦オーストラリア DUCATIサーキット情報局

2015 MotoGP #16 Australia（2015.10.18）

走行中のイアンノーネにカモメが衝突
フェアリングに穴が空くも表彰台獲得

オーストラリアGPでイアンノーネが3位表彰台を獲得、ドヴィツィオーゾは13位。

MotoGP第16戦オーストラリアGPがフィリップ・アイランドで開催され、ドゥカティチームのアンドレア・イアンノーネがMotoGPキャリア最高ともいえるレースを見せ、3位表彰台を獲得した。予選2番手のイアンノーネは、ロケットスタートを決めてホールショットを奪い、ターン1に入った。しかし、2周目のターン10で、なんとカモメにヒット。デスモセディッチGP15のフロント右側フェアリングに大きな穴が空いた。この珍しいトラブルにもかかわらず、イアンノーネは常にホルヘ・ロレンソ（ヤマハ）、マルク・マルケス（ホンダ）、バレンティーノ・ロッシ（ヤマハ）らとトップグループを形成した。

彼ら4名は何度もポジションを入れ替えながら、近年稀に見る激しいバトルを展開した。最終ラップのイアンノーネは、ロッシの執拗なアタックをかわし、ウィナーのマルケスに遅れること0.930秒の3位でチェッカーを受けた。イアンノーネは、ライダーズランキングでも4位につけ、5位のダニ・ペドロサ（ホンダ）とのポイント差を23に拡大した。

一方、チームメイトのドヴィツィオーゾには、難しいレースとなった。10番グリッドからスタートしたドヴィツィオーゾは、オープニングラップを10位で終え、ここから14周目までポル・エスパルガロ（ヤマハ）やブラッドリー・スミス（ヤマハ）らとバトルを演じたが、その後は水を開けられ、最終的に13位でフィニッシュラインを通過した。ドヴィツィオーゾのランキングは7位と変わらず。6位のスミスとの差は5ポイントにすぎない。

RIDER'S VOICE

アンドレア・イアンノーネ／3位

「ものすごいレースだった！フィリップ・アイランドでは良いレースが見せられると思っていたので、表彰台を獲得することがとにかく重要だった。しかし、リザルトだけでは決して語り尽くせない。何度もライバルとオーバーテイクし合う素晴らしいバトルだったし、スペクタクルな展開だったと思う。TVで観戦してくれるファンにも、見応えのあるレースになったはずだ。スタッフ全員がこの結果にふさわしい仕事をしてくれた。我々はレースごとに進化を遂げてきた。昨年のレースと比較すると、長足の進歩を遂げている。あのときの展開を覚えている方は、まさかこれほどのレースができるとは思わなかったに違いない。ところで、2周目にはビックリするようなことが起こったね。目の前にカモメがいて、僕のマシンにヒットした。カモメには気の毒だが、僕にとっては幸運のキスだったのかもしれない！」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ／13位

「スタートから最終ラップまで、厳しい展開を強いられた。自分の走りができず、フラストレーションを感じていた。13位というリザルトは、“自分のポジション”ではない。チームにもすまない気持ちでいっぱいになる。週末中、ずっと同じ問題を抱えていた。大きなトラブルではなかったが、どうしても解決できなかった。終盤の数周はリアタイヤが完全に終わってしまい、トラクションがかからなかった。何かが起こったのだとは思うが、いずれにしても、今日のパフォーマンスはまったく残念でならない。今後のこともあるので、必ず原因を究明したい」

ルイジ・ダッリーニャ／ドゥカティコルセ・ゼネラルマネージャー

「今日のイアンノーネは、素晴らしいレースを見せてくれた！リスクを冒しながらも見事なライディングだった。デスモセディッチGP15のストレートの速さは他の追随を許さず、彼のパフォーマンスをサポートした。この数年、献身的な努力を続けてくれたドゥカティコルセのスタッフ全員に感謝の意を表したい。今日のリザルトは、彼らの努力に報いるものだ。さらに、イアンノーネはレースごとにパフォーマンスを向上させ、チャンピオン争いができるだけのペースと成熟度を身につけている。しかし、ドヴィツィオーゾには気の毒な週末だった。彼の望むマシンフィールがまったく得られなかった」