VIRGIN DUCATI | 【ドゥカティ Monster + 試乗記】革命的進化を続けながらも、受け継がれる揺るがぬ精神。美しく、軽快で、どこまでも楽しい。 試乗インプレッション

【ドゥカティ Monster + 試乗記】革命的進化を続けながらも、受け継がれる揺るがぬ精神。美しく、軽快で、どこまでも楽しい。

  • 掲載日/2026年07月01日【試乗インプレッション】
  • 取材・文・写真/小松 男
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DUCATI Monster+
フルモデルチェンジを遂げた新型Monsterが、ついに日本へ上陸した。30年以上にわたる歴史を刻んできたMonsterは、常にドゥカティのラインアップの中核を担い、ブランドを象徴する存在として世界中のライダーを魅了し続けてきた。それだけに、新型の登場を心待ちにしていたファンは数多い。スポーツネイキッドという新たなカテゴリーを切り拓き、その歴史を築いてきたドゥカティ・Monster。その最新モデルは、伝統を大切に受け継ぎながらも大胆な進化を遂げ、継承と革新が高い次元で融合した、新たなレジェンドの幕開けを予感させる一台となっていた。

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Monster+ 特徴

ドゥカティの中で揺るがぬ存在感。
「I M Legend」に込められた意味

初代モデルから数えて5代目となる新型Monsterが登場した。現在のドゥカティのラインアップを見渡せば、MotoGPやWSBKで培った技術を投入するスーパーバイクのパニガーレを筆頭に、アドベンチャーツアラーのムルティストラーダ、クルーザースタイルのディアベル、また、ハイパーモタードなど、多彩なモデルが並ぶ。しかし、その中で最も長い歴史を受け継いできた車名が「Monster」なのである。

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1992年のケルンショーで世界初公開された初代Monsterは、名デザイナー、ミゲール・ガルーツィの手によって生み出された。当時の851系スーパーバイク由来のシャシーに、900SSなどへ搭載されていた空冷Lツインエンジンを組み合わせた、いわば”パーツビン・スペシャル”ともいえる成り立ちを持ち、その独創性から海外では「フランケンシュタイン」と形容されることもある。

だが、その寄せ集めともいえる構成から誕生したマシンは、それまで存在しなかった新しい価値を生み出した。スーパースポーツ譲りの高い運動性能を備えながら、ストリートで気軽に楽しめる扱いやすさを実現。さらに、ネイキッドならではのシンプルで筋肉質なスタイリングも相まって世界的なヒット作となり、「スポーツネイキッド」というカテゴリーを確立した立役者となった。

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その後もMonsterは進化を止めることなく、毎年のように改良を重ねながら、水冷エンジン搭載モデルや高性能バージョンなど数多くの派生モデルを展開。日本では400ccモデルもラインアップされ、国内の免許制度とも相まって高い人気を獲得したことは、多くのライダーの記憶に残っているだろう。

2代目は2007年のミラノショーで発表され、2008年に発売された。初代の成功によってスポーツネイキッドという市場が確立し数多くのライバルが誕生し、さらに販売台数は累計20万台を超えるとも言われた初代の後継モデルだけに、その一世一代を掛けたフルモデルチェンジだった。

しかし、2代目は低く構えたヘッドライトやショートテールによって一目でMonsterと分かるシルエットを継承しながら、交換式タンクパネルなどを採用した「カラーセラピー」プロジェクトやシート下サイレンサーなど、新たな個性も積極的に打ち出した。

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続く2014年の3代目では水冷テスタストレッタエンジンを全面採用し、より高性能かつ扱いやすいスポーツネイキッドへ進化。そして2021年の4代目では、長年Monsterの象徴でもあったトレリスフレームを廃し、アルミモノコックフレームを採用するという大胆な変革を断行した。歴代モデルは、それぞれの時代に合わせて姿を変えながらも、ライダーを夢中にさせるスポーツネイキッドという本質だけは決して失わなかったのである。

そして今、新たな5代目に与えられたキャッチコピーは「I M Legend」。100年という歴史を刻んできたドゥカティにおいて、Monsterは単なる人気モデルではない。ブランドを象徴する伝説であり、その伝説を未来へ受け継ぐ存在であることを、この言葉は力強く物語っているのだ。

Monster+ 試乗インプレッション

もっと乗りたい、走りたい。
その気にさせる魅力の塊

新しいMonsterが登場すると聞いた時、素直に胸が高鳴った。私は長年Monsterを追い続け、2代目は実際に所有し、カスタムを楽しみ、レースにも参戦した。その一方で、4代目が登場してからわずか数年でフルモデルチェンジを受けることには、少なからず疑問も抱いていた。

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新型Monsterの実車を目の前にして、まず感じたのは、シンプルでありながら、車体全体の凝縮感が増したように見えるということだった。

先代はシリンダーに樹脂カバーが装着されていたり、サイレンサーエンドが斜めにカットされるなど、モダンな印象を与えるデザインエッセンスが多かったのに対し、新型ではどちらかといえば、初代や2代目Monsterのような若干柔らかみのあるボディラインが与えられているからかもしれない。

車両に跨ると、まず足つき性の良さが伝わってきた。そもそもシート高が低く抑えられている上に、車幅も細いため、膝が曲がるほど“べた足”となる。その上、車重も驚くほど軽い。

ただでさえ大幅に軽量化されていた先代から、さらに4kg削ることに成功しているというから驚かされる。

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メーターディスプレイからも進化は読み取れる。右側にアナログスタイル表示の回転計、その左側にデジタル表示の速度計という基本的な表示レイアウトは踏襲しつつ、より洗練され、ライダーに的確にインフォメーションを伝えてくる。

スイッチボックスも同様に進化が感じられ、従来あった長押しの入力がなくなり、階層の行き来も分かりやすい。つまり直感的な操作がより行いやすくなっている。

これらのように常に視界に入り手で触れる部分のブラッシュアップは、無意識のうちにユーザーの満足度を高めてくれる部分でもある。などと考えながら、ローギアに入れて走り出す。

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大きなトピックのひとつにもなっている新型エンジンは、これまで長年ドゥカティの素晴らしいパフォーマンスを語る上での代名詞とされてきたデスモドロミックが撤廃されている。代わりと言っては何なのだが、インテーク可変バルブ・タイミング機構が備わっている。

これが電子制御と相まって、低回転では太いトルク感をもたらし、高回転域では気持ちの良い伸びを得られる。それがデスモらしい荒々しさよりも、回したくなる気持ちよさとなっている。しかも回転上昇は驚くほど滑らかだ。

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Monsterは空冷エンジン時代から水冷エンジンに代わり、しかも電子制御のマネジメントが進化したことから、年々扱いやすくなってきたと感じていた。しかし新型Monsterではその次元を一段飛び越えたかのように乗りやすい。これが市街地を流すようなシーンで効いてくる。

ストップ&ゴーを繰り返しても、入り組んだ路地を抜ける際にもストレスを一切感じることはなかった。むしろ、やはりストリートというシーンを楽しめることこそMonsterに求められるキャラクターなのだと感じた。

とはいえ、ドゥカティらしさ、Monsterらしいライディングプレジャーはしっかりと残されている。

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高速道路を使いひとたびスロットルを大胆に開けば、一気にレッドゾーンめがけて針が跳ね上がり、振り落とされそうな加速を味わうことが出来る。最大トルクは7250回転で発生するとされているが、それ以下でも十分に力強いし、むしろ5000回転前後を使ったクルージングが心地よい。

さらにワインディングロードに持ち込めば、スポーツライディングの楽しさを、誰でも味わえるようなセッティングがなされていることが伝わってくる。

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実は先だって開催されたメディア向け発表試乗会にて、先導付きではあったものの、クローズドコースを走らせ、その時には、若干フロントタイヤの依存度が高いと感じていた。それを今回日本の良くあるワインディングに持ち込んで走らせたところ、ライダーに無理をさせず良く曲がる仕様であることが分かった。

実際、ドゥカティのスタッフから聞いた話だと、従来モデルから前後バランスが見直されているということ。昔の感覚だと、リアタイヤを寝かせてフロントの舵を取る、いわゆる“後ろ乗り”をしてしまうのだが、頭のスイッチを切り替えて、フロントからコーナーに入っていくと、驚くほど自然に、しかも軽く向きを変えるのである。このリズムをつかんだらこっちのもので、延々とワインディングロードをつなぐ沼にはまりかける。それほど楽しいのである。

それと先代も日本仕様はローシートの設定だったが、個人的には、あの優れたシャシー性能を少しスポイルしているようにも感じていた。しかし今回は違う。低いシートが扱いやすさと完全に調和しているのだ。

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歴代のMonsterに触れたことがあり、時代ごとの良さを知っているつもりだ。4代目は扱いやすくなった一方で、スポーツ性を強く打ち出したモデルだった。しかし5代目は、その先にある”誰もが楽しめるスポーツネイキッド”という領域へ踏み込んだ。

そのような中で、新型Monsterはどのようになったのかを今回じっくり乗って考えてみた。そして出した答えは、美しいプロポーションと楽しくて気持ちの良い乗り味が新しい形で表現されたということだ。それはMonsterの原点的なものだと思う。

個人的には、4代目で同門のストリートファイターに近い方向へ歩み始めていたキャラクターを、この5代目で改めてMonster本来の方向へ引き戻したように感じた。それこそが、今回フルモデルチェンジが比較的短いスパンで実施された理由のひとつなのかもしれない。

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「毎日乗りたくなる」「用事がなくとも走りたくなる」。ドゥカティのラインアップの中でも、それを一番感じる一台が新型Monsterだ。つまりそれは、ドゥカティを求める人だけでなく、すべてのライダーに向けて推すことができる魅力が凝縮されているという意味だ。

「I M Legend」という言葉は、過去の栄光を語るために掲げられたものではないのだろう。数年後、あるいは十数年後に振り返った時、「あの5代目こそ新たな伝説の始まりだった」と語られる。その未来を見据えたメッセージなのではないか――そんなことを考えながら、私は“もう一度乗りたい”と自然に思っていた。

Monster+ 詳細写真

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新開発の890cc・90°V型2気筒「V2」エンジンを搭載。最高出力120ps、最大トルク93.3Nmを発揮する。新型パニガーレV2、ストリートファイターV2、ムルティストラーダV2、ハイパーモタードV2シリーズと基本設計を共有する最新世代のエンジンで、IVT(インテーク可変バルブタイミング)を採用し、扱いやすさと高回転域での伸びを高次元で両立している。
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フロントフォークはφ43mm倒立式を採用。ストロークは125mmを確保し、軽快なハンドリングと高い接地感を両立する。フロントブレーキには320mmダブルディスクとブレンボ製ラジアルマウントキャリパーを組み合わせ、優れた制動性能を実現する。
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リアには軽量なアルミ製両持ちスイングアームを採用。大胆な肉抜き加工が施された造形は、軽量化と十分な剛性を両立するとともに、メカニカルな美しさも演出する。ホイールは前後17インチアルミ製で、タイヤはピレリ製ディアブロ・ロッソIVを標準装着する。
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車体右側へ2本出しレイアウトされたサイレンサーは従来モデルのイメージを継承しながら、シンプルな円筒形デザインへ変更。主張しすぎないデザインながら、スロットルを開ければドゥカティらしいVツインサウンドを力強く響かせる。
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容量は14L。初代から受け継ぐ力強いバイソンバック(野牛の背中)をイメージしたタンク形状を現代的に再構築している。日本仕様のボディカラーは伝統のドゥカティレッドと、上質な印象を演出するアイスバーグホワイトの2色を用意。
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シャープなLEDヘッドライトには、近年のドゥカティ各モデルに共通するデザインアイデンティティ「ダブルC」デザインのDRLを採用。精悍なフロントマスクを演出するとともに高い被視認性も確保する。日本仕様はフライスクリーンを標準装備する「Monster+」のみが導入される。
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コンパクトに引き締められたテールまわりにも、フロントと共通イメージとなるダブルCデザインのLEDテールランプを採用。シンプルな造形ながら後方からの存在感も十分だ。
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5インチフルカラーTFTディスプレイを採用。アナログメーターをイメージしたタコメーター表示とデジタル表示を組み合わせた視認性の高いレイアウトとし、ライディングモードや電子制御など各種情報を分かりやすく表示する。
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新設計スイッチボックスを採用。従来よりも操作系を見直したことで、長押し操作を減らし、階層移動もより直感的になった。グローブ着用時でも扱いやすく、日常的な使い勝手の向上に貢献している。
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日本仕様は足着き性を重視したローシート・ローダウンサスペンション仕様を標準設定。扱いやすさを高めるとともに幅広いライダーに安心感を与える。また国内導入されるMonster+にはシングルシートカバーも標準装備され、スポーティなスタイルも演出できる。
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自然なライディングポジションを実現するステップまわり。標準でドゥカティ・クイックシフト(DQS)を装備し、クラッチ操作を行わずスムーズなシフトアップ/ダウンを楽しめる。
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リアサスペンションは、車体左側へ大きく寝かせて配置。日本仕様はローダウンサスペンションを標準装備し、優れた足着き性と安心感を実現している。
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シート下にはETC車載器を収納できるスペースを確保。日常での使い勝手にも配慮された設計となっている。外観からはわからないが、よく見るとサブフレームがトレリス構造となっている。

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