デスモセディチ
- 掲載日/2008年10月11日【DUCATIエンジンガイド】
- 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
ドゥカティ初の市販4気筒
デスモセディチ
極めて純度の高いMotoGPマシンレプリカモデルとして注目を集めたデスモセディチRR。この「デスモセディチ」とは「16バルブデスモ」を意味する言葉だ。つまり、4バルブヘッドを持つ4気筒エンジンであることを示している。ボア・ストロークは86X42.56mmで、排気量は989cc。各気筒に配置された4バルブはベルトではなくカムギアトレインによって正確に駆動され、ストリートエミッションに対応した触媒付きエキゾーストを装着した状態で185hp、スポーツ走行用のレーシングエキゾーストを装着すれば200hp/13,800rpm以上を発揮する。極めて貴重なモデルであるデスモセディチRRに相応しい、素晴らしいポテンシャルを持つ特別なパワーユニットだ。
細部に目を移すと、砂型鋳造によるクランクケースやチタン合金製吸排気バルブ、マグネシウム合金製各種カバー、スパークタイミングは現在のMotoGPマシンと同じダブルツイン方式(左右気筒同時点火)が採用されるなど、各部もまさにレーシングスペックで固められていることが分かる。そのほか、トランスミッションはタイムリーなメンテナンスを可能とするカセット式を搭載。吸気に関してはレインドロップインジェクターを装備したマグネッティマレリ製50mm径4連スロットルボディーが採用され、インジェクターノズルにはファクトリーレーサーに限りなく近い機構であるマルチプルマイクロジェットまでも装備されている。
また、このエンジンには全てレーシングフィニッシュと呼ぶべき最高レベルの仕上げが施されたパーツが組み込まれているという。軽量なチタンバルブを駆動するロッカーアームは磨きこみ処理が加えられ、スリッパータイプのピストンはレーシングデザインのダブルリブクラウンを採用。さらに、これら宝石のようなパーツを組み込むデスモセディチRR専用生産ラインのスタッフも、一般の生産ラインから選抜された優秀な人材で構成されているという。最高レベルのパーツと環境から生産される世界一の量産エンジンと言えるだろう。
- ● デスモセディチRR
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