空冷2バルブ・シングルスパーク
- 掲載日/2008年10月13日【DUCATIエンジンガイド】
- 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
モンスターにベストマッチの
シングルスパーク空冷Lツイン
排気量を992ccにまで拡大し、いわゆる“DSエンジン”としてツインスパーク化されたパワーユニットが登場するまで、ドゥカティの本流としてさまざまなモデルに搭載されていたのが、今回ご紹介するシングルスパークの空冷2バルブLツインエンジンだ。一口にシングルスパークの空冷2バルブLツインといっても長い歴史があり、さまざまなバリエーションが存在するが、今回は2007年のシングルスパーク末期までラインナップされていたモンスターS2R 800に搭載されたユニットをご紹介しよう。
ピストンやコンロッドを新設計し、吸排気のバルブタイミングを見直すなど、S2R 800用ユニットは先代モデルにあたるM800用ユニットに改良を加えたものだ。ボア・ストロークは88mmX66mmで排気量は803cc。デスモドロミックを採用し、最大出力77ps/8,250rpm、最大トルク72.6Nm/6,500rpmを発揮した。これらの数値は、S2R 800がデビューした2004年当時としてもずば抜けたものではなかったが、ドゥカティのレース活動を通じて熟成されたフューエルインジェクションを組み合わせることで、パワーとトルクのバランスは秀逸。2000回転ほど回していればスルスルと発進可能な実用域の広さを持ち、“DS”ほどのトルク感はないものの、制御しやすいパワーを伴いながらシャープに回り切るスポーツ性を発揮した。さらに、信頼性や低燃費も兼ね備えていた実績あるエンジンとして、今なおその評価は高い。
さらに、エントリーモデル的な役割も期待されていたS2R 800用のユニットには湿式クラッチが採用されていたが、シフトダウン時のバックトルクを緩和してハードなライディングでも最大限の安定性を確保するスリッパークラッチ「APTC」も搭載。ビギナーからベテランまで、S2R 800が多くのライダーから支持されているのは、スタイルだけではなく、このエンジンによるところが大きいと言われている。
- ● モンスターS2R(800cc)
関連する記事
-
ドゥカティQ&A
モンスター696などが純正採用しているAPTCとは何ですか?
-
エンジンガイド
テスタストレッタ11°
-
エンジンガイド
ニューデスモデュエ
-
エンジンガイド
848テスタストレッタ・エボルツィオーネ
-
エンジンガイド
テスタストレッタ
-
エンジンガイド
1100DS
-
エンジンガイド
デスモセディチ
-
エンジンガイド
テスタストレッタ・エボルツィオーネ
-
DUCATI購入ガイド
モンスターS2R
-
DUCATI購入ガイド
モンスター796
-
DUCATI購入ガイド
ムルティストラーダ620
-
DUCATI購入ガイド
ハイパーモタード796