モンスター900ダーク DUCATI購入ガイド

Monster 900 Dark

廉価モデルでありながらも
上位モデルと同様に進化

モンスター900ダークは、1999年にモンスター900シリーズに追加されました。ダークとは、つや消しカラーで足まわりなどの装備が省略された廉価版を指し、ドゥカティはさまざまなモデルで展開しています。ただし、当初のモンスター900ダークとスタンダードであるモンスター900 は、ともにフロントフォークの調整機構とカウル類を備えていなかったため、実質的な違いはカラーリングのみでした。モンスター900ダークが明確に廉価仕様としての役割を担ったのは、フルアジャスタブルフロントフォーク＆リアサスペンションとアルミ製スイングアーム、ビキニカウル＆シングルシートカバーを装備する豪華仕様のモンスター900S が主流になってからです。しかし、このモンスター900ダークは、904ccの空冷２バルブエンジンがインジェクション化されると同時にタコメーターを装備し、ラージフレームと呼ばれる剛性の高い ST系フレームを採用するなど、基本的には上位モデルと同様の進化を果たしました。

インジェクション化やタコメーター装備など、モンスター900S＆モンスター900 と同様に進化しました。※メイン写真はモンスター620ダーク

モデルラインナップ期間年表

	モンスター 900	モンスター 900S	モンスター 900ダーク
1994	851系フレーム＋キャブレター
1995
1996
1997
1998
1999
2000		インジェクション＆タコメーター装備	インジェクション＆タコメーター装備
2001
2002		ST系フレームに変更	ST系フレームに変更

当時の思い出話

ドゥカティ入門車として人気だったが
乗りこむうちに足まわりを換えたくなる

モンスター900ダークは、99万円（税抜き）という低価格が魅力で、ドゥカティの入門モデルとして人気を集めます。しかし当然ながら、調整機構のないフロントフォークやイニシャル調整のみのリアサスペンションに乗りづらさを感じるユーザーも多く、アフター製の足まわりを購入するケースがたくさんありました。またモンスター900S のユーザーがオーリンズ製などの高性能サスペンションに交換して取り外した純正中古品を、お下がりとして装着するケースも見受けられました。エンジンやフレームが同一だったため、それだけで簡単に上位モデルと同等の乗り味になったのです。またレース用のサスペンションに交換する前提で、レースベース車としても多く販売されました。ここでもやはり新車価格の安さが魅力でした。

モンスター900シリーズを通して中古車は豊富にあり、モンスター900ダークもそれなりに台数があります。しかし、購入後に不満を感じて足まわりを交換することを考えると、最初からモンスター900S を選んだほうがいいでしょうね。