スーパーバイク999S DUCATI購入ガイド

Superbike 999 S

後期モデルは
大幅にバージョンアップした

999S は、2003年から 2006年まで販売されました。レースに出場するための車両承認（ホモロゲーション）用に定められた台数限定の最上位モデルである 999R と、スタンダードモデルの 999 の中間に位置する上位モデルとして、オーリンズ製チタンコートフロントフォークやリアサスペンションといった豪華なパーツを装備しています。

ただし、この 999S はモデルイヤーによって大きく２つに分けられます。小ぶりなアッパーカウルを備えた 2003・2004年モデルに対し、2005・2006年モデルではテクノポリマーと呼ばれる軽量な新素材を使った大きめのカウル、プレスでつくられた剛性の高いスイングアーム、ラジアルマウントフロントブレーキキャリパーなど、2004年に 999R で採用された装備をそのまま引き継ぎ、大幅なバージョンアップを図りました。なお、イタリア本国でラインナップされていた２人乗り仕様のビポストは輸入されず、日本向けの 999S はどの年式も１人乗りのモノポストです。

2003・2004年モデルは小ぶりなアッパーカウル、2005・2006年モデルは大きめのカウルと 999R 譲りの足まわりが特徴です。

モデルラインナップ期間年表

	999	999R
2003
2004		カウル変更・プレスアーム装備
2005	カウル変更・プレスアーム装備
2006

当時の思い出話

2005年モデルがオススメだが
中古車のタマ数は少ない

2005年モデルの 999S にはさらに、テルミニョーニ製マフラー＆レース ECU がセットになったレーシングキットが同梱されていました。これは 2006年モデルには付属せず、当然ながら 2013年の今となっては入手困難です。それほどまでに大きく進化し、お買い得感の高かった 2005年モデルですが、新車販売は多くありませんでした。というのも、2005年に入っても各ディーラーには 2003・2004年モデルの在庫が残っていたからです。999S を含めた 999シリーズは、斬新なデザインやガソリンタンクとシートカウルの位置調整機構、テスタストレッタエンジンによる低速の乗りやすさによってデビューと同時に人気を博しました。そのため、ディーラーは売れることを見越して常に多めに在庫車を持っていたのです。店頭に古いモデルが残っているうちは、マイナーチェンジした新しい車両をすぐに入荷するわけにもいかず、結果的に 2005年モデルの販売が鈍ってしまいました。

中古車は、前述の通り 2005・2006年モデルがオススメ。新品はもう手に入らないので、レーシングキットが付属している車両を見つけたら、即買いですね。999シリーズ全般に言えることですが、整備性があまり良くなく、特に電気系へのアクセスが難しいため、のちのメンテナンスを考えるとドゥカティディーラーでの中古車購入をおすすめします。