ハイパーモタード796 DUCATI購入ガイド

Hypermotard 796

軽さと扱いやすさに重点を置いた
ハイパーモタード

ハイパーモタード796 は、2010年に登場しました。2007年にデビューしたハイパーモタード1100S と同じ外観を持たせながらも、排気量803ccの空冷デスモデュエエンジンと車体を新設計したモデルです。このハイパーモタード796 は、軽さと扱いやすさに重点を置いていました。ハイパーモタード1100S が採用していた太く剛性の高いフロントフォークやオーリンズ製のリアサスペンションに対し、一般的なサイズのフロントフォークとザックス製リアサスペンションに専用設計の車体を組み合わせることで、軽快で穏やかな乗り味と低いシート高を実現しています。また、エンジン自体も軽量化を図り、APTC （アドラー製のスリッパークラッチ）採用の湿式クラッチによって、操作感も非常に軽く仕上げられていました。ブレーキまわりはハイパーモタード1100S のようにモノブロックキャリパー＋リザーバータンク別体型のマスターシリンダーではありませんが、車体が軽いためにそれでもじゅうぶんな性能を発揮します。

軽さと扱いやすさに重点を置き、車体とエンジンを新設計。操作の容易な APTC 採用の湿式クラッチも装備しています。

モデルラインナップ期間年表

	ハイパーモタード 796	ハイパーモタード 1100S	ハイパーモタード 1100EVO	ハイパーモタード 1100EVO SP
2007
2008
2009		パールホワイト追加
2010
2011
2012

当時の思い出話

気軽に乗れる＆どこにでも行ける
すべてがちょうど良い人気モデル

ハイパーモタード1100S が強力で手強く、乗れる人を限定してしまっていたこともあり、ハイパーモタード796 は、“気軽に乗れてどこにでも行ける” モデルとして人気を集めます。大きさや性能、新車価格が全体的にちょうど良く、老若男女を問わず初めてのドゥカティに選ばれることが多かったですね。リンク式のリアサスペンションが採用されていることで、リンクロッドを交換するだけでローダウンできるのも人気の理由です。スタイルが好きで乗るユーザーが多いのも特徴で、見た目を大きく変えるようなカスタムはされず、純正オプションを使ってハンドルバーエンドのバックミラーを通常の位置に戻したり、フレームスライダーを装着したりといった小変更がほとんどでした。

他モデルよりも燃料タンクが小さいため、高速道路を使ったロングツーリングというよりは、街乗りや一般道を使ったツーリングに使われることが多く、中古車は走行距離の少ないものが大半です。ただし、オーナーがハイパーモタード796 を気に入って手放さない傾向にあるので、中古車は少なめですね。これらのこともハイパーモタード796 の性格をよく表していると言えるでしょう。