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ドゥカティ 750 イモラ 1973 ファクトリー

  • 掲載日/2009年09月01日【歴史あるドゥカティを知る】
  • 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
750 イモラ 1973 ファクトリーの画像

1973年イモラ200マイルレースを走った正真正銘の本物
ビッグボア&ショートストロークを採用したベベル750

イモラ200マイルレースを走ったファクトリーマシンは、その年式で各部の仕様が大きく異なっていた。ここに紹介するゼッケン86番目のマシンは、73年のイモラ200マイルに出走したファクトリーマシンそのものである。エントリーリストによれば、ゼッケン84番がエースライダーのブルーノ・スパッジャリで、ゼッケン86番はブルーノ・クネブーラが出走している。レース結果は、スパッジャリがヤマハTZ250を駆って優勝したサーリネンに続き2位入賞、つまりスパッジャリは、72年、73年とイモラ200マイルレースで連続2位表彰台をゲットしている。

この86番は、レース後にドゥカティファクトリーに戻り、タリオーニ技師が管理していた。そしてなんと、タリオーニ技師は保安部品を装着し、娘婿にプレゼントしていたのだ。しかし、レーシングマシンで街中は走りにくく、長年に渡りガレージに眠っていたという。生前、タリオーニ技師の交流があったロッシさんは、このマシンが現在どこにあるのか技師に尋ねてみた。すると、娘婿のガレージに眠っているのではないか……という事実を知り、技師の紹介でそのガレージを訪ねてみた。すると、捜し求めていたマシンを発見。交渉成立し、73年ファクトリーはロッシさんのガレージに運ばれたのだ。

750 イモラ 1973 ファクトリーの画像

市販車や72年ファクトリーはΦ80×74.4mmの748ccだが、73年ファクトリーは、900系と同じΦ86ピストンで748ccとなる。当時としては超ショートストローク仕様だ。

ロッシさんによれば、くたびれ果てていた外装パーツのみリペイントし、現在に至っているという。基本的には当時のフォルムを留めているが、何故か、スイングアームのリアアクスルシャフト部分が改造され、ホイールベース調整用の3個目の穴がカットされ、パイプエンドが埋められていたという。このようなモディファイを何故施したのかは現在でも不明だが、ショートストローク仕様のベベルLツインエンジンは絶好調が維持され、現在は、いつでも出走可能なコンディションがキープされている。

750 イモラ 1973 ファクトリーの詳細写真

750 イモラ 1973 ファクトリーの画像
市販車や72年ファクトリーはΦ80×74.4mmの748ccだが、73年ファクトリーは、900系と同じΦ86ピストンで748ccとなる。当時としては超ショートストローク仕様だ。
750 イモラ 1973 ファクトリーの画像
キャブレターはデロルトPHM改造仕様を装備。タンクの下にツインプラグ用イグニッションコイルが4つレイアウトされる。
750 イモラ 1973 ファクトリーの画像
ショートストロークエンジンは全体がコンパクトで圧倒的に軽い。750の標準コンロッドに対してコンロッド長も20mm近く短い。エンジンのコンパクト化に拍車をかける。
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72年型とは異なり左右アップメガホンマフラーを装備する73年ファクトリー。微妙なカーブドメガホンが実に美しい。リアショックはチェリアーニ305を装備。
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セントラルアクスルを採用した73年ファクトリーマシン。市販車では74年以降のモデルにこのタイプのボトムケースが採用されている。ディスクは280mm×2だ。
750 イモラ 1973 ファクトリーの画像
小型リアディスクは72年ファクトリーや74~77年の市販750SS/900Sと同仕様だ。スプロケットの肉抜き方法も時代時代で異なっている。スチール製ドリブンスプロケットでも、徹底的な肉抜き軽量化によって驚くほど軽くなるのだ。

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