VIRGIN DUCATI | ドゥカティ スクランブラー デザートスレッド 試乗インプレッション

スクランブラー デザートスレッド の画像
DUCATI Scrambler Desert Sled

ドゥカティ スクランブラー デザートスレッド

  • 掲載日/2017年08月10日【試乗インプレッション】
  • 取材協力/Ducati Japan  写真・文/田中 宏亮

スクランブラー デザートスレッド の試乗インプレッション

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アドベンチャーモデルと呼んで差し支えない
あらゆる状況に対応する万能型バイク

まず気になるのはシート高だろう。スペック表には860mmと記載されている。ベーシックなスクランブラーが790mmだから、一気に7センチもアップしていることになる。ちなみにハイパーモタード939が850mmとなっている。

身長174cmの筆者がまたがると、カカトが余裕で浮いての足の裏前部1/3でのスタンディングに。おそらく身長170cmほどのライダーでバレリーナ状態、それ以下だと片足でしか立てないのではないだろうか。ただ、スクランブラーモデル共通のシート幅がかなり幅広なので、ここをトラッカー風に細長くアレンジできれば、もう少し足つきは良くなるだろう。

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ハンドルポジションについて、幅広なのは想定内だったが、思っていたよりもやや遠めだったのが意外だった。誤差の範疇かもしれないが、あともう1~2cm手前に来ていればベストだった、と思わされた部分だ。このハンドル周りについては、このあとのインプレッションで気になる部分が出てくるので、読み進んでいただきたい。

走り出してのファーストインプレッションは、「軽くて速い」。確かにまたがった際のポジションはオフ車らしく少々タイトだが、いざ走り出してしまえば体がしっくりと収まる構造になっていて、とにかく操りやすい。デザイン的にはもう少し細身の方が良かったフューエルタンクも、ニーグリップするのにちょうどいい厚みとなっている。それゆえ、しっかりとステップとニーグリップで車体を固定してやれば、すでにその性能が立証されている排気量803ccのLツインエンジンのスポーティな挙動と207kgという車重が絶妙なバランスで絡み合い、高めの視界ながらスポーツライドを楽しませてくれる。さながら、軽量型アドベンチャーバイクといったところだろうか。

近しいスタイル、近しい排気量という点から BMW Motorrad F 800 GS を引き合いに出してみるも、その車重は224kgとデザートスレッドが20kg近く軽い。重量があるモデルはその分路面を踏みしめてくれるというメリットがあり、翻って軽量系モデルはコントローラブルな点が魅力だ。さらにデザートスレッドの場合、かつての「スクランブラー250」をインスパイアしたクラシカルなボディデザインであることも大きなポイントとなる。

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スクランブラーよりも前後サスペンションが長い設計になっているので、そのストローク量の恩恵もあってストリートはもちろんワインディングでもフットワークの安心感とともにあらゆるコーナーを駆け抜けてくれる。もちろんスクランブラーファミリーのどのモデルでも過不足ないパフォーマンスを発揮してくれることに違いはなく、むしろデザートスレッドにストリートやワインディングはオーバースペックな感があった。

湖畔の砂地でもテストを試みた。日本で馴染み深い250ccオフロードバイクと比べると、かなりオーバーパワーなところは否めない。アドベンチャーモデルのような重量級ではないので、803ccという排気量が生み出すパワーを理解しつつ、そのうえで国産オフロードバイクのように振り回して楽しむ乗り方を身につければ、これほど遊び甲斐のあるバイクはないと思えるだろう。おそらくガレ場に突っ込んでも難なく走破してくれるはずだ。

そんなテストを繰り返しながらロングライドをして気になったのが、エンジンの熱さとレバーの遠さだ。熱さについては、「フル・スロットル」にも採用されているステンレスマフラーとの相性なのか、信号待ちの際にはちょっと車体から離れたくなるほど。もしかしたらセッティング次第で多少は変えられるのかもしれない。オーナー希望者はこの点にご留意いただきたい。

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ストップ&ゴーを繰り返していると、グリップと少々離れた設計になってしまっているからか、クラッチレバーを握る手がやや疲れてきてしまう。やはり欧米人にとってのオフロード仕様は、日本人にとってはワンサイズ大きいアドベンチャー仕様になってしまうのか、と思わされたポイントだ。ただ、これについては調整次第で握りやすくできるので、こちらの方が解消しやすいだろう。

限りなく現代オフロードバイクとして仕上げられているデザートスレッドは、日本人にとっては一歩アドベンチャーモデルに入り込んだ仕様だと言えよう。ネイキッドのままならストリートからワインディング、ダートまでありとあらゆるロードを走破できるし、積載装備を整えればアドベンチャーバイクとして日本全国津々浦々まで走ってゆけるだろう。何より、そのクラシカルなボディデザインが都会から田園風景まで幅広く似合うことは間違いない。

まさにこれ一台あれば何でもできる、万能型バイクだ。

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