【EICMA2019レポート】「Streetfighter V4」にマイナーチェンジされた「Panigale V4S」、パニガーレV4の意匠を受け継いだ「Panigale V2」を発表
- 掲載日/2019年11月25日【トピックス】
- 取材・写真・文/河野 正士
白と赤を基調にしたお馴染みのドゥカティ・ブース。ほぼすべてのラインナップが展示された。
ドゥカティ・ワールド・プレミアで発表した
2020年モデルを展示
11月5日から10日まで、イタリア・ミラノでEICMA2019(エイクマ/ミラノ国際モーターサイクルショー)が開催された。そこでドゥカティは2020年モデルを展示。ブースには多くのファンが詰めかけた。通年ドゥカティは、EICMA開催の前日または前々日に、EICMA会場とは異なるミラノ市内の展示会場で「ドゥカティ・ワールド・プレミア(DWP)」と称したニューモデル発表会を開催する。しかし今年は、約2週間前にイタリア・ミサノでDWPを開催。ソーシャルメディアを通じ、その様子をライブ配信した。DWPはEICMA開幕のファンファーレ的な存在であり、それがないことに若干の寂しさを覚えたものの、一般公開日以降のドゥカティ・ブースは相変わらずの人気であった。
そこには、ソーシャルメディアを使った事前情報や、アメリカで開催されるヒルクライムレース/パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムレースへの参戦などで、市販車の発表が予想されていた、新型V4エンジンを使ったネイキッドスポーツバイク「Streetfighter V4(ストリートファイター・ブイフォー)」を発表。また2017年のEICMAでドゥカティ初のV4エンジンを搭載した「Panigale V4S(パニガーレ・ブイフォーエス)」を早くもマイナーチェンジ。さらにはL型2気筒エンジンを抱くスーパーバイク・モデル/パニガーレ959をベースに、パニガーレV4の意匠を受け継いだ「Panigale V2」を発表。ドゥカティのスーパースポーツ・カテゴリーである”パニガーレ・ファミリー”を強化した。
また10月末に開催されたDWPで突如デザインスケッチを発表した、ドゥカティ・スクランブラーの2台のコンセプトモデル「Scrambler Desert X(スクランブラー・デザート・エックス)」と「Scrambler Motord(スクランブラー・モタード)」もEICMAのドゥカティ・ブースに展示。集まったファンの注目を集めていた。この2台のコンセプトバイクについては、発売などの詳細は発表されていない。
土曜日/正午付近のブースの様子。まさに足の踏み場もないほどの混雑状態。マシンがどこにあるかも分からない。
ドゥカティ・ブースの中心的存在であり、来場者やWEBサイトでの投票によって選ばれる今年15回目を迎えた「EICMAでもっとも美しいバイク」のコンテストで1位に輝いたのが「Streetfighter V4(ストリートファイター・ブイフォー)」である。パニガーレV4をベースに、パワフルなエンジンをネイキッドスタイルでも安心して、そして速く走らせるためにアレンジしたフロントフレームとスイングアームを採用し、ホイールベースを延長。またより強力なダウンフォースを得るために“バイプレイン”と呼ばれる二翼ウイングを装着している。
「Streetfighter V4」に跨がり、そのフィーリングを堪能していた親子のグループ。息子はマシンにピッタリと伏せ、全開で走る自分の姿を想像する。
ドゥカティのスーパースポーツカデゴリー/パニガーレ・ファミリーに2気筒モデルが加わった。それが「Panigare V2(パニガーレ・ブイツー)」だ。エンジンや車体のベースとなるのは「パニガーレ959」。955㏄水冷L型2気筒エンジン「スーパークアドロ」をモノコックフレームに搭載したマシンだ。その車体にパニガーレV4から受け継いだ、スーパークアドロエンジン用に新設計された2つの大きなエアインテークを持つフロントフェイスと、ボディパネルが折り重なるようなダブルレイヤーフェアリングを持つデザインをプラスした。エンジンは「パニガーレ959」時と同じくL型配置だが、今後ドゥカティのスーパースポーツカデゴリーであるパニガーレ・ファミリーは、エンジンの搭載角度にかかわらず“V型”と表記される。
一昨年、世界に衝撃を与えたドゥカティ市販車初のV型4気筒エンジンを搭載した「Panigare V4」「Panigare V4S」が早くもマイナーチェンジ。ウイングを含めたカウル類を「Panigare V4R」と同意匠に変更するとともに、フロントフレームも「Panigare V4R」と共通となった。
「Mulutistrada1260S Grand Tour(ムルティストラーダ1260Sグランド・ツアー)」は、ツーリング時に便利な多数のパーツを標準装備した(日本未導入)。
ディアベルの新色「Diavel 1260 S “Ducati Red”(1260S ドゥカティ・レッド)」は、フレームとボディに加え、シート裏側もドゥカティ・レッドに染め上げられている。
ドゥカティのe-bikeモデルであるMIGシリーズは、リミテッドエディションである「MIG-RR Limited Edition(ミグRRリミテッドエディション)」を追加した(日本未入荷)。
レーシングブースにはスーパーバイク世界選手権(WSBK)を戦う、Aruba.it Racing – Ducatiチームのチャズ・デイビス/アルバロ・バウティスタが駆る「Panigare V4R」と、MotoGPを戦う、ドゥカティ・チームのアンドレア・ドヴィツィオーゾとダニーロ・ペトルッチが駆る「デスモセディチGP19」を展示。
マシン同様、新しいドゥカティ純正アパレルも多数発表された。
EICMAに先だって行われたニューモデル発表会DWPで突如デザイン画が発表されたスクランブラー、2台のコンセプトモデル。EICMA会場には、その実車が展示された。
排気量800ccのオフロードモデル/スクランブラー・デザートスレッドをベースにした「Scrambler Motard(スクランブラー・モタード)」。前後17インチホイールにハイグリップタイヤ、ショートフェンダーやサイドゼッケンカバー、跳ね上がった新形状のシートなどが採用されている。スクランブラーらしく、センターで分割できるタンクカバーによってタンクの着せ替えも可能だ。
排気量1100ccのネイキッドモデル/スクランブラー1100をベースに、カジバ時代にパリ〜ダカールも制したラリーマシンにインスパイアされた「Scrambler Desert X(スクランブラー・デザート・エックス)」。大型燃料タンクに加え、シートカウルにも予備タンクを装備し、フロント21インチ/リア18インチホイールなど、本格的なデザートレーサーのディテールを持つ。
豊富なアクセサリーを使ったスクランブラー・ブースのディスプレイ。
スクランブラーファミリーにもe-bikeモデル「E-Scrambler(イー・スクランブラー)」が追加された。
イエロー&ブラックに加え、木目を基調にしたスクランブラー・ブース。
「ドゥカティ・ワールド・プレミア2020」の速報を見る >>
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