VIRGIN DUCATI | 【ミラノモーターサイクルショー2022(EICMA2022)レポート】新型スクランブラーやディアベルV4、パニガーレV4Rなどを展示 トピックス

【ミラノモーターサイクルショー2022(EICMA2022)レポート】新型スクランブラーやディアベルV4、パニガーレV4Rなどを展示

  • 掲載日/2022年12月02日【トピックス】
  • 取材・写真・文/河野 正士
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EICMAの主役であるドゥカティが戻ってきた

2022年、ドゥカティがEICMAに戻ってきた。昨年、ドゥカティが参加しなかったEICMAは、どことなく寂しい感じがしていた。しかし今年は、ドゥカティが戻ってきたことでショーがグッと引き締まった。そして毎年、来場者の投票などによって選ばれる「Most Beautiful Bike/EICMAにおけるもっとも美しいバイク」賞を、ドゥカティ・ディアベルV4が獲得。ドゥカティの新型車がこの賞を獲得するのがEICMAの恒例のようになっていることもあり、これによって“いつものEICMAが戻ってきた”とさらに強く感じたのだった。ここでは、そのドゥカティブースの中から、注目の新型車を紹介する。

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スクランブラーのプロダクトマネージャーであるカノーザ・ロッコ氏。

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EICMAプレスで前日にオンラインで発表された新型「スクランブラー」シリーズ。スタンダードの「アイコン」と、フラットトラッカーイメージの「フルスロットル」、そしてカフェレーサーイメージの「ナイトシフト」の3モデルが展示されていた。発表された車両写真を見たときは、少しポッチャリしちゃった!? と感じていたが、実車は燃料タンクの張り出しや、そこに重なるタンクカバーのデザインとが相まってなかなかに凛々しく、またエキゾーストパイプのレイアウトが変更されたことで、ビジュアル的なエンジンの軽快感がアップされていて、とても好印象だった。サイドカバーやハンドル形状、そしてテールカウルというかリアフェンダーというか、それらのアイテムの変更でうまくキャラクターを分けるスクランブラーらしさも、継承されていた。

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ディアベルV4」の存在感は抜群だった。遠目からでも分かるムッチリ感の原因はやはり、ムルティストラーダV4と同じバルブスプリング式のバルブ駆動方式を採用したV4グランツーリスモエンジンだ。前モデルのL型2気筒エンジンよりも前後長が短くなり、またエンジン高も低くなったそのエンジンは、エンジン幅でわずかに大きくなっているだけだが、新しいモノコックフレームによって、そのコンパクトなエンジンが最大級に強調されていている。広報写真などでは、片側4本出し排気口がある車体右側が写るモノが多いが、反対の左側の凝縮感も強烈。それでいて美しさも備えている、じつにドゥカティらしいモデルだと感じた。

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ストリートファイターV4の、そのちょっとワルそうな雰囲気は、まさに絶品だ。とくにこの「ストリートファイターV4 SP2」は、各部にカーボンパーツや前後オーリンズ製サスペンション、それにヘアライン仕上げのアルミ製燃料タンクを採用していて、本来ならレーシングマシンに採用されるそれらハイパフォーマンスパーツをストリートバイク用にアレンジすることで、ちょっとワルな雰囲気がさらに強調されている。もちろんそれらは、カッコだけではなくマシンのポテンシャルを高めるパーツとして機能していることで、そのバランスが成立していることを忘れてはならない。

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歴代モデルのなかでもっともレーシングマシンに近い市販バイクという触れ込みは、まさにその通り。そこに佇んでいるだけで、ただ者ではないオーラをもって来場者を惹きつけていたのが「パニガーレV4R」だった。切れ上がった2灯ヘッドライトは、その切れ上がり角度が前モデルとは異なり、またそれを包み込むフロントカウルの面構成も、サイドから見たフロントカウルのボトムラインも、サイレンサーを包むアンダーカウルの切れ込みも違っている。それによってレースで培ったさまざまな技術やパーツを組み込んだ、新しい998ccデスモセディチ・ストラダーレV4エンジンやエレクトロニクスを採用していることはもちろんだが、見た目だけでもいままでと違う、いままでよりもさらに進化したことを、ボディワークの微妙な変化で表現している。

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ムルティストラーダV4ラリー」が新たに採用した30リットルタンクは、前モデル/ムルティストラーダ1260エンデューロと同容量の30リットルタンクを採用していたことから、タンクの張り出し感も前モデルに似ていて、さほどの驚きはなかった。それよりも30リットルの燃料タンク、フロント19インチ/リア17インチのホイールサイズ、パニアケースを採用しながら、前モデルはエンデューロ、こちらはラリーという、似て非なるモデル名が与えられていることは、とても興味深い。ラリーという言葉が想起させる、より長く、過酷な旅こそが新型V4ラリーが目指した世界なのかもしれない。専用の足周りや新しいエレクトロニクスの採用も、そのラリーな世界を実現させるためなのだ。

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ネイキッドスタイルを採用するモンスターと言えば、スクランブラーが登場する前から、ドゥカティ・デビューを支えるエントリーモデルとして人気を博している。しかしその出自は、スーパーバイク系のフレームにストリート用エンジンを搭載したスポーツネイキッドモデル。したがって2021年6月から国内デリバリーが始まった4台目モンスターの、その本社プロモーションはサーキットでライダーが肘を擦る過激なものだった。その過激さをさらにアップさせたのが「モンスターSP 」。各部の採用されたハイスペックなパーツを見るだけで、その過激さが想像できるほど。実車も、得も言われぬ迫力があった。

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EICMA開催時には何のアナウンスもなく展示されていた2023年カラーを採用した「デザートX 」。しかもこの車両はヘッドライトガードやスキッドガード、ボディプロテクターやリア燃料タンクなどアクセサリーパーツを装着。ラリーなテイストとポテンシャルを大幅にアップさせていた。

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2023年シーズンから電動バイクの世界選手権/MotoEに供給されるドゥカティの電動レーシングマシン「V21L」も初めて実車を見ることができた。フルカウルで覆われた車体中心部は、想像以上に太く大きかったのが印象的だった。またそのカウルから覗き見えるフレームやスイングアームなど車体の基本骨格はほぼカーボン製に見えた。このマシンがどんなパフォーマンスを発揮するのか、早く見てみたい。

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プレスデイ2日目が終了し、会場に誰もいなくなったころ、EICMA会場内のドゥカティ・ブースでは招待者のみが参加できる「Passione, Design, Tecnologia, Made in Italy」パーティが開催された。イベントがスタートするとCEOのクラウディオ・ドメニカーリが登壇し挨拶。つぎにMotoGPのチャンピオンとなったフランチェスコ“ペッコ”バニャイアと、ファクトリーチームのマネージャー/ダビデ・タルドッツィが登壇しシーズンを振り返った。その後は、来季からファクトリーチームに加わるエネア・バスティアニーニとテストライダーのミケーレ・ピッロも登壇し、来季に向けての話に花が咲いた。イベント開始前からアルコール類が提供され、トークショーが終了すると軽食の提供もスタート。遅くまで、賑わっていた。

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