スーパーバイク848 DUCATI購入ガイド

Superbike 848

ミドルクラスのスーパーバイクは
ライディングプレジャーに満ちている

2009年に日本市場へ投入されたスーパーバイク848は、ドゥカティを代表するスーパーバイクシリーズのミドルレンジに位置づけられるモデルだ。これまでのモデルと最も違う点は排気量の設定で、以前発売されていたスーパーバイク749まではスーパースポーツ世界選手権への参戦を踏まえたものとなっていたが、このモデルからはレース参戦を前提としていない。しかし、スペックとしてはより過激なものとなっており、イタリア本国仕様では30％のパワーアップを実現。重量は20％軽量になるなど、排気量の余裕だけではないパフォーマンスの向上を見せつけている。装備自体はフラッグシップであるスーパーバイク1198に比べるとコストダウンを感じさせる部分もあるが、前後アジャスタブルサスペンションやブレンボ製ブレーキシステムなど、各部に採用されるパーツはドゥカティならではのハイクオリティなもの。国産メーカーなどの同クラスの車両とくらべてもプレミアな存在感を持っている。

レースベースモデルというセグメントから抜け出したスーパーバイク848は、現行のスーパーバイクシリーズの中で最もストリート向けの性格を与えられているのも特徴だ。低回転からしっかりと発生するトルクは街中でも扱いやすく、パワーが有り過ぎて持て余してしまうことが少ない。それでいて高回転はドゥカティのLツインらしく、パンチのある走りを楽しめる。また、スーパーバイク749よりもライダーに寛容で、ベテランはもちろんエントリーユーザーも、このシリーズが持つエキサイティングな面白さを味わえる1台。まさにドゥカティの門戸を拡げるマシンと言っても良いだろう。

レースに基づく排気量制限から脱し、ストリートスポーツとして進化した848

スーパーバイクシリーズならではの美しいスタイリング。近年人気が高いホワイトの車体色はこのモデルからはじまった。

足回りは前後ともショーワ製アジャスタブルサスペンションを採用。ブレーキはブレンボ製で、フロントはラジアルマウントを採用。

専用の「848テスタストレッタエボルツィオーネエンジン」を搭載。高回転のパンチ力と低回転域の従順さを兼ね備えている。

スペックと装備はそのままで
価格を抑えたBlackに注目

スーパーバイク848は標準モデルで1,890,000円と、現行のスーパーバイクシリーズで最も身近な価格となっている。2010年から投入されたスーパーバイク848Blackはブラック単色のみの設定となり、ベースモデルより20万円安価な1,690,000円。20万円も安くなっているが、以前のラインナップにあった“Dark”シリーズのように装備が簡略化されているということは無く、諸元も全く同様だ。カラー変更だけでこの価格は、まさにバーゲンプライスと言えるだろう。これからスーパーバイクシリーズに乗りたいユーザーにとって、新たに登場した“Black”は嬉しい選択肢となっている。現在のところスペック上のバリエーションは存在しないので、購入時に迷うポイントは少ないはず。ライディングプレジャーを存分に味わえるバイクとして、スーパーバイク848は非常にバリュー・フォー・マネーな1台だ。