VIRGIN DUCATI | ドゥカティのサーキットトレーニングプログラムが念願の日本初開催‼ 「DUCATI “DRE Racetrack Academy(DREレーストラック・アカデミー)”」 トピックス

ドゥカティのサーキットトレーニングプログラムが念願の日本初開催‼ 「DUCATI “DRE Racetrack Academy(DREレーストラック・アカデミー)”」

  • 掲載日/2021年11月09日【トピックス】
  • 取材協力/ドゥカティジャパン 写真/伊勢 悟 文/小松 男
世界最高峰のスポーツモーターサイクルブランド「ドゥカティ」。彼らが生産するハイパフォーマンスモデルの真のポテンシャルを引き出すため、またスポーツランを存分に満喫するため、そしてセーフティーなスポーツライディングスキルを身に着けるために提供されるサービス「DRE(ドゥカティ・ライディング・エクスペリエンス)」。その、サーキット版となる“DRE Racetrack Academy”が日本で初開催された。

本国イタリアで長きに渡り支持を受けてきた
ドゥカティスタのためのライディングスクール!

スポーツモーターサイクルブランドとして広く知れ渡るドゥカティが、自社の製品が持つパフォーマンスを、多くのライダーに存分に楽しんでもらえるようになってもらいたいという願いを込めて企画されたDRE(ドゥカティ・ライディング・エクスペリエンス)。本国イタリアでは2003年からサーキットを使ったライディングスクールが開催されており、ドゥカティ専門メディアを制作していたことがある私は、以前から参加したいと考えていた。それがついに日本でも初開催となったのである。

現在イタリアで行われているDREではロード(公道)、レーストラック(サーキット)、エンデューロ(未舗装路)の回があり、先だって箱根でロード・アカデミーが開催され、それに続いて10月28日、29日の2日間に渡り、レーストラックアカデミーが開かれた。

今回はレーストラックアカデミーでの参加レポートをお伝えする。

元GP世界チャンピオンという輝かしい経歴を持ち世界的に知名度の高い原田哲也氏をはじめ、5名すべてが国際A級ライセンスホルダーという贅沢な講師陣! 左から原田哲也さん、亀谷長純さん、鈴木大五郎さん、伊丹孝裕さん、斎藤栄治さん。

DRE レーストラックアカデミー日本初開催のサーキットに選ばれた袖ヶ浦フォレストレースウェイは、当日ドゥカティレッドで満たされていた。様々なサーキットイベントを取材しているが、その中でも特にプレミアム感の高い演出がなされている印象。

昨年ドゥカティ本社があるイタリア、ボローニャ近郊でも新型コロナウイルスによる多くの被害があったこともあり、ドゥカティは世界的にドゥカティケアと指標を立て、新型コロナウイルス対策を非常に厳しく行っている。それは受付時からレッスンまで身をもって感じられた。

クラスによって色が異なる腕章を渡される。何から何までしっかりと作り込まれていることもあり、参加者ファーストが徹底されていることが伝わってくる。

ドゥカティジャパンのマッツ・リンドストレーム社長。今回の開催へ向けて、しっかりと準備してきたスタッフと、訪れた参加者に感謝を示すとともに、自身もDREレーストラックアカデミーに参加しドゥカティのパフォーマンスを堪能されていた。

速く走らせるために、テクニックを向上する!

説明によると本国のDREにはレベル1となるウォームアップ、レベル2のエボ、レベル3のインディビジュアル、レベル4のワン・オン・ワンが設定されており、自分に合った(求める)回に参加することができる。今回は日本初開催ということで、ウォームアップとされたが、ゆくゆくは他のレベルも開かれることは十分に考えられる。なおイタリアでは、ドゥカティで複数回WSBK世界チャンピオンとなったトロイ・ベイリスにマンツーマンレッスンをしてもらえるDREも存在するそうだ。参加費は約35万円ほどだそうだが、是非とも経験してみたいものである。

ブリーフィングでは、チャプター1として、ライディングポジション、サーキット場での視野、フロントブレーキに圧力をかける方法、ペース管理。チャプター2はAPEXを使ったレーシングライン、チャプター3にニュートラルポイントとなるコーナーの頂点という流れのレッスン説明が行われた。これはあくまで基本説明であり、レッスンが始まるとそのグループごとに合った内容が各講師から進められるスタイルとなっていた。

ブリーフィングを担当した原田哲也さん。サーキットで速く走らせるためには、まず基本となるテクニックの向上が必須と説明。サーキットを走り慣れているライダーでも、まずは千里の道も一歩よりということ。

以前はドゥカティでイベントレースに参戦していた経験を持つものの、最近ではめっきりサーキットランから遠ざかっている私、小松男。今回のDREレーストラックアカデミーにはストリートファイターV4Sで参加。

ドゥカティの魅力は走りに関するパフォーマンスの高さだけでなく、その美しさにもある。サーキット走行時に行わなければならないテーピングも、持ち前のデザイン、スタイリングを崩さないように心がけたいもの。

サーキット走行ではもちろん、いつでも走る前には可能な限り、自分の操作に合うように調整しておきたいもの。私の場合はまずブレーキとクラッチレバーの位置調整を行うように心がけている。

ミニマムチームでレッスン。だから着実に習得できる!!

いよいよレッスンスタート。一人の講師に対し、生徒は5名。今回は5名の講師が集められたので、生徒は合計で25名となる。マンツーマンとは言わないものの、それに近い状況で教えてもらうことができるのだ。

さらに付け加えると、一本の走行枠で、コース上を出走するのは講師を含め6台×2クラスの12台のみ。サーキット走行会などへの参加経験がある方はご存知かもしれないが、多くの走行会は、出走台数が多く、コース上がイモ洗い状態となってしまう場面もある。それに対して、このDREレーストラックアカデミーでは他車に邪魔されることなく、サーキットというステージを存分に活かしたレッスンを行うことができるのである。

クラスによってスキル分けもなされているため、イベントレースなどに参戦しているレーサースタイルのドゥカティストから、サーキットビギナーまで幅広いライダーがスキルアップをすることができるのもポイントだ。

私はチーフインストラクターの原田哲也さんのクラスを受けた。元世界チャンピオンじきじきにライディングポジションを指南してもらえる機会などなかなか無いものだ。

マン島TTやパイクスピークなど、世界的なレースに参戦してきた経験を持つ、伊丹孝裕さんが講師を務めるクラス。もちろん他の講師も名だたる経歴の持ち主であり、教え方も丁寧かつ理解しやすいもの。

各クラス講師に先導されながら、いよいよコースイン。講師のすぐ後ろを走るライダーが、1周ごとに入れ替わることで、ライン取りやブレーキポイントを習得してゆくことができる。

今回の原田クラスでは、リアブレーキの有効活用、そしてブレーキングポイントを重点的に教えてもらった。サーキットを占有走行できることだけでも贅沢なのに、それに合わせてプロのライダーから直接教わることができるのは、ドゥカティスト冥利に尽きる。

今回のDREはレーストラックアカデミーということもあり、ロードスポーツモデルオーナーが中心だった。自分の愛機を見てもらい、それに対する乗り方やセッティングのアドバイスを受けることができるのも嬉しい。

サーキット走行はまさしくスポーツであり体力の消耗も激しい。午前中の走行を終えて空腹を満たしてくれるのは、イタリア料理のコースプレート。どれも美味しくお腹いっぱいになる。

一日中レッスンを受けた後、修了式が開かれる。そこではチーフインストラクターである原田哲也さんと、ドゥカティジャパンのマッツ・リンドストレーム社長両氏の直筆サインが記された修了証書が受け渡される。DREレーストラックアカデミー、参加費は7万円。内容を考えると、なかなかのコストパフォーマンスだと感じられるものだった。

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