第10回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会 ドゥカティブースレポート
- 掲載日／2025年04月24日【トピックス】
- 取材協力／ドゥカティジャパン 写真・文／小松 男
イタリアの情熱が生んだプレミアムスポーツブランド
美しいデザインとハイパフォーマンスの両立が持ち味だ！！
去る2025年4月9日、10日の二日間に渡り今年も大磯ロングビーチ特設会場で開催された第10回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会。世界各地で作られ日本に輸入販売されているインポートモータサイクルブランドが一堂に会するこのイベントはペーパーメディア、ウェブメディア、モータージャーナリストなどに向けた一大試乗会である。
数あるブランドブースの中からここで紹介するのはイタリアが生んだプレミアムスポーツブランド、ドゥカティのブースだ。世界最高峰ロードレースであるMotoGPではここ数年常勝といえる素晴らしい成績を残しており、その血脈を受け継ぐパニガーレシリーズにはじまり、ロングセラーモデルであるモンスタープラス、アドベンチャーモデルでありながらも超絶スポーティな走りを楽しめるムルティストラーダ、さらにはラリーレイドに根付いたデザートXなどなど、幅広いラインアップを展開しており、我々を楽しませてくれる。
それではドゥカティブースの詳細と共に、今回試乗したスクランブラーナイトシフトのショートインプレッションを併せてお伝えしていこう。
名古屋モーターサイクルショーにて日本初公開となったニュームルティストラーダV4Sや昨シーズン登場した新型パニガーレV4S、スクランブラーシリーズなど様々なモデルが取り揃えられたドゥカティブース。どれも飛び切りカッコいい！！
停止時には自動的に車高が下がる電子制御式サスペンションの新たな装備にはじまり、細部が大幅に進化したニュームルティストラーダV4S。前方走行車両を追随するレーダーシステムなど最新テクノロジーの塊だ。
新型パニガーレV4S。ずば抜けたパフォーマンスを発揮するV型４気筒エンジンはもとより、フロントセクションに大きな穴を持つフレームや、見るからに軽そうなスイングアームなど見どころ満載。スーパーバイクの頂点ともいえる一台。
奇才ミゲール・ガルーツィの手によって初代モデルが登場したのは1993年のこと。それから30年以上もの長きにわたり愛され続けているモンスター。現在はモンスタープラスという名称となったが、扱いやすさと爽快感は健在。
新型シングルエンジンを搭載したハイパーモタード698モノ。軽量かつパワフルで、ドリフトコントロール機能まで備えている。ストリートからサーキットでの本格的スーパーモタードまで楽しめるパッケージだ。
スクランブラーシリーズのベーシックグレードとなるスクランブラーアイコン。シンプルな構成で乗りやすく、ドゥカティが長年手掛けてきた空冷Lツインの心地よいパルス感も楽しめるモデル。ビギナーからエキスパートまでお薦め。
フラットトラックレースをインスパイアしたホットバージョン、スクランブラー フルスロットル。専用シートやゼッケンプレートカウルなどが用いられているほか、クイックシフターも標準で装備する。
スクランブラー ナイトシフト プチインプレッション
今回のJAIA試乗会で乗った中で、
もっともワイディングが楽しかったぞ！！
ほぼ左右真一文字にのびたバーハンドル、タックロールタイプのシート、バーエンドミラーにミニマムターンシグナルなど、スクランブラードゥカティシリーズの中でも異端ともいえる強い存在感を持つナイトシフト。クセが強いキャラクターであるものの、むしろそこが人の心を掴んでおり、スクランブラーシリーズの中でも最も人気が高いモデルとなっている。
走り出してまず感じたのは、車体が軽量であること。そして軽いがゆえにとても扱いやすいということだ。伝統の空冷Lツインエンジンは、制御の仕方も良く、軽やかな回転フィールを得られるうえ、ラフにスロットルを開ければ、フロントタイヤが軽く宙に浮きあがるほどのパワー感も持ち合わせている。
ワイヤースポークホイールやブロックパターン調のタイヤを採用しているために、見た目からはオフロード志向強めかとも思えるが、乗ってみるとそのようなことはなく、むしろピュアなロードスポーツモデルのフィーリングで、同日に試乗した7モデルの中で、もっともワイディングロードを走ることが楽しく、気持ちが良かった。
独特な雰囲気を持つ個性的なスタイリング、コンパクトで軽量な扱いやすい車体、はじけるような快活な走りなどから、ファーストドゥカティとしてもお薦めしたいモデルである。
ナイトシフト、アイコン、フルスロットルの三種のスクランブラーシリーズは、フロント110/80R18、リア180/55R17のタイヤサイズを共通とする。ナイトシフトのみワイヤースポークホイールを採用する。
シート表皮はタックロール風のデザインがあしらわれている。シート高は795㎜で、これもアイコン、フルスロットルと共通のスペックとなっている。
メーターは4.3インチフルカラーTFT液晶ディスプレイを採用。視認性が良く、インフォメーションが伝わってきやすかった。スイッチ類の操作感や使い勝手も良い。
若干手前に曲げられているものの、ほぼ真一文字と言っていいバーハンドルを採用。ライディングポジションは結構前傾姿勢となり、むしろそれによりロードスポーツ的なハンドリングをもたらしてくれる。
デザイン発表当時は大事な顔に「X」印！？と思ったものだが、いざ実車を見てみると正直なところカッコいい。誰が見てもスクランブラードゥカティだと分かるアイデンティティの一つとして定着するだろう。
フラットダートにも多少入ってみたところ、思っていた以上に走りやすかった。オンロード良し、未舗装路良しのオールマイティモデル。つまりはそれこそが“スクランブラー”モデルの極みと言うことである。
803cc空冷Lツインエンジンを搭載。最高出力73馬力、最大トルク65.2Nmと程よいパフォーマンスだが、ドゥカティらしい快活な走りを楽しめる。なお車重は170kgでかなり軽量だと言える。
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