第8回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会ドゥカティブースレポート(ディアベルV4のショートインプレあり)
- 掲載日/2023年04月27日【トピックス】
- 取材協力/ドゥカティジャパン 写真・文/小松 男
イタリアを代表する
スポーツバイクブランド『ドゥカティ』
2023年4月12日(水)~13日(木)の2日間に渡り、大磯ロングビーチにて第8回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会が開催された。ウェブや雑誌媒体など様々なメディア関係者に向けて行われる毎年恒例のイベントで、バイクブロスマガジンズからも参加した。
日本に輸入販売されている世界各国のバイクブランドが勢ぞろいするのだが、その中でもイタリアを代表するスポーツバイクブランドである『ドゥカティ』のブースに並べられた最新モデル陣は、華があり強いプレミアム感を放っている。
昨年登場したドゥカティ初の本格的オフロードモデルであるデザートX、最新テクノロジーが詰まったアドベンチャーマシン、ムルティストラーダV4S、今期注目のニューモデル、ディアベルV4、スーパーバイクモデル直系のスーパーネイキッド、ストリートファイターV2に、スクランブラー アーバンモタードなど、どれもストリートに映える美しいスタイリングを持つ魅力的なラインナップだ。
シリーズ初となるV4エンジンが採用されたディアベルV4に試乗したので、そのショートインプレッションも紹介してゆこう。
地球規模のロングスタンスツーリングへと旅立ちたくなるハイパーアドベンチャーモデル、ムルティストラーダV4S。超強力な心臓部、それを受け止める屈強なフレームや足まわり、さらにスキルを問わず支配下に置ける最新テクノロジーを組み合わせている。
ドゥカティ初の本格的ビッグオフロードマシンとして注目を浴びたデザートXも用意された。高いシートは乗り手を選ぶようにも見えるが、リラックスしたポジションで扱いやすく、スタンディングポジションもしやすい。土を求めて走りたくなる一台だ。
ディアベルV4 プチインプレッション
パワークルーザーでありながらも
ハンドリングマシンとして成立する!
10年以上の歴史を持つディアベルシリーズで、初となるV4エンジンが搭載されたその名も『ディアベルV4』が登場した。
以前はLツインエンジンが主流だったドゥカティだったが、スーパーバイクモデルであるパニガーレにV4エンジンを採用したことを端に発し、ストリートファイター、ムルティストラーダと展開し、今回ついにディアベルもV4となったのだ。もちろんただエンジンを変更しただけではなく、今回のモデルチェンジはベースとなるフレームから足まわり、スタイリングまですべてに手が加えられたフルチェンジ次世代型となった。
傍から見ると大柄に見える車体は、実際に跨ってみるとそうでもなく、さらに従来モデルと比べて13キロもの軽量化に成功しているということもあり、わりとフレンドリーな印象を受ける。フロンまわりはより一層筋肉質なデザインとされたほか、ガトリング砲のような4本出しマフラーや、シートカウル下方にインサートされた独特なテールランプなど、見た目から刺激的である。
セルスターターでエンジンを目覚めさせる。どことなくLツインサウンド的に感じられたのだが、それには訳があった。実はアイドリング時や負荷があまりかからない走行シーンではリアバンクを休止し2気筒となるシステムが採用されているのである。つまり軽く流すようなシーンではツインの鼓動感を、スポーツライディングを楽しむ際にはV4サウンドを奏でるのだ。
走り始めると、そのエンジンキャラクターが分かってきた。低回転域ではドコドコした荒々しい感触があり高回転に引き上げるとモーターのように軽く吹け上がる。それに加え240サイズの極太タイヤでありながらコーナーリングを楽しめるバランスの良さは健在だ。もちろん乗りやすさはあるものの、乗り手を選ぶ硬派さは健在であり、しっかりとドゥカティイムズが伝わってくる。
自動車専用道路、市街地、ワインディングと走らせてみたところ、やや高い回転をキープして走らせた方がスムーズに思えた。つまりスポーツライディングを掻き立てられる。ドゥカティV4はそんなパワークルーザーに仕立て上げられていた。
大磯ロングビーチの駐車場を使った特設クローズドコースと、湘南エリアの一般道を使った試乗テスト。シチュエーション的にパフォーマンスをすべて引き出すことは無理があるが、ディアベルV4のキャラクター、そして魅力はしっかりと伝わってきた。
排気量1158cc、DOHC V型4気筒エンジンは最高出力168馬力、最大トルク125Nmのハイパフォーマンス仕様。走行状態を感知し適宜作動する2気筒休止システムも備えており、燃費や環境面も考えられたものとなっている。
ボリューム感満点のフロントマスク。ヘッドライトケースに内蔵されたLEDデイタイムランニングライトや、エアダクトの張り出し、ハンドル上にデザインされたウインカーなど、細かなディテールまでこだわりが感じられる。
240サイズの極太リアタイヤは踏襲。短めにセットされた4本出しサイレンサーがポイントになっている。これだけ太いタイヤでありながら、サイドまできっちりと使わせてくれるのは、バランスの良さの表れである。
シートカウル下方にインサートするという、これまでになかった画期的なテールランプ。後続車などからの視認性が気になるところだったが、他のメディアスタッフが走らせているところを見ると、問題は無さそうだ。なお飛び出し式グラブバーは健在。
シート高は790mm。クルーザーモデルとして捉えていると、この数値は高いと思えるかもしれない。ドゥカティが打ち出すスポーツ性能にはこのバランスが重要なのである。シートカウルは簡単に脱着できるのでタンデムライドも楽しみたい。
メーターの視認性が良く、車両のセッティング状況など直感的に伝わってくる。なおスマートフォンとBluetooth接続を行うことで、着信応答やテキストメッセージを受信したり音楽を楽しんだりすることも可能だ。